中堅企業の間でクラウドのユニファイドコミュニケーション(UC)が人気を集めている。「UCaaS」ベンダーと企業は、導入展開の成功に向けて力を合わせなければならない。
クラウドのユニファイドコミュニケーション(UC)導入が中堅企業で進んでいる。従業員のコミュニケーションや生産性、コラボレーションの向上が狙いだ。クラウドサービスも、中堅企業のニーズに対応するために進化していると、市場調査会社Gartnerは、北米の中堅企業向け「UCaaS」(サービスとしてのUC)市場に関するレポートで指摘している。
Gartnerは「中堅企業」を、「従業員数100〜999人、売上高5000万〜10億ドルの企業」と定義している。同レポートによると、北米の中堅企業のUCaaS支出は2017年に15億ドル近くに達しており、2021年には30億ドルに迫る見通しだ。中堅企業向けUCaaSベンダーには、GartnerのUCaaSに関するベンダー評価レポート「マジッククアドラント」のランキングに名を連ねるベンダーも含まれる。だがGartnerは北米の中堅企業向けUCaaS市場に関するレポートでは、北米市場に特化し、マジッククアドラントのランキングには入っていないCenturyLink、Jive、Vonageといったベンダーを取り上げて解説している。
中堅企業のIT導入の意思決定者は、UCaaSを導入する前に、コミュニケーションやコラボレーションを超えた広範なビジネス要件を検討する必要がある。
Gartnerのレポートによると、中堅企業のITプランナーが向こう12カ月に直面する最も重要な課題は、予算の制約だ。予算の制約は、中堅企業のUCに関する意思決定を大きく左右すると、Gartnerのアナリストで、同レポートの共著者であるメガン・フェルナンデス氏は語る。
「UCaaSソリューションは、オンプレミスのソリューションと比べて必ずしも安くない。だが、分かりやすい料金で弾力的なサービスが得られるのは、多くの中堅企業にとって便利だ」(フェルナンデス氏)
レポートによると、多くの中堅企業は単体の機能としてではなく、バンドルされたサービスとしてUCaaS機能を手に入れようとしている。実際、バンドルされたサービスの方がより経済的だ。単一のUCアプリケーションではなく、複数機能のセットを基準にして料金が設定されているからだ。一方、基本的な音声および会議機能が無料で提供されるフリーミアムモデルを通じてUCaaSを利用する企業もある。
「フリーミアムサービスは、企業が新しいサービスを試すときに利用されることが多い。まずフリーミアムサービスを使ってみて、機能的に自社のビジネスニーズに十分応えられるか評価するわけだ」(フェルナンデス氏)
フリーミアムサービスの基本的な機能でビジネス要件が満たされ、このサービスをそのまま使ってコストを抑えられる企業もある。その一方で、フリーミアムモデルをテストして、有料のUCaaSプラットフォームにアップグレードするケースもある。
中堅企業のネットワーク構成は、事業所の数や、各事業所が光ファイバー回線にアクセスできるかに応じて多岐にわたる。そこでUCaaSベンダーは、企業にさまざまなWANオプションを提供している。中堅企業のITプランナーは、自社にとって望ましいネットワーキングアプローチがUCaaSベンダーによってサポートされている環境を整えなければならないと、フェルナンデス氏は語る。
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