社内と社外のコミュニケーションを包括する方向性
「コミュニケーションツールは1社にまとめたい」 だから2019年UC市場はこう変わる
企業内のコミュニケーションニーズを1つでまかなえる製品を求めるユーザー企業が少なくない。ユニファイドコミュニケーション(UC)ベンダーは買収策やAPI開発といったアプローチを選んでいるようだ。
エンタープライズコミュニケーション市場は転換期を迎えている。最初はオンプレミスからクラウドベースのコミュニケーションへの移行が転換をけん引したが、状況は大きく進展しており、クラウドは引き金にすぎなかった。
エンタープライズコミュニケーション市場は、以下の3つのセグメントに大別される。
- ユニファイドコミュニケーション(UC)
- このセグメントでは、企業内のコラボレーションとコミュニケーションの比重が大きい。最近ではWeb会議やチームコラボレーションが注目を浴びている。
- コンタクトセンター
- このセグメントでは、顧客と企業間の従来のコミュニケーションが焦点となっており、純粋な音声通話から、音声、ビデオ、テキスト、ソーシャルチャネルが全てサポートされるオムニチャネルコミュニケーションへの展開が進んでいる。
- コミュニケーションAPI
- 企業のコミュニケーションニーズがどのようなものであれ、それに応えるものを、コミュニケーションインフラを使って開発し、アプリケーションやビジネスに組み込むことができる。理論上も実際上も、ユニファイドコミュニケーションとコンタクトセンターは、コミュニケーションAPIに構築できる。
ここ数年、UCベンダーは、これらのセグメントやエクスペリエンスの統合により、包括的なエンタープライズコミュニケーション製品を提供しようとしている。
これに対し、コミュニケーションAPIベンダーはAPIセグメントに特化している。この市場をリードするTwilioだけが例外的に、コンタクトセンタープラットフォーム「Twilio Flex」を発表し、コミュニケーションAPIからコンタクトセンターに手を広げている。
コンタクトセンターベンダーも同様で、自らの市場に集中しており、それ以外の動きはあまり見られない。
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買収でコミュニケーションポートフォリオを拡大
ユニファイドコミュニケーション(UC)ベンダーは、コンタクトセンターやAPIも手掛けようとしているようだ。これらのベンダーの多くは、コンタクトセンター資産の買収によって製品ラインを広げている。
典型的なパターンは、UCベンダーがコンタクトセンターベンダーを買収するか、独自のコンタクトセンター機能を提供するというものだ。次のステップでは、自社のポートフォリオを見つめ直し、自社プラットフォーム上にAPIを実装して、その機能を開発者に開放している。最近では、これはほとんどの企業に必要なステップだ。だがUCベンダーは、既存顧客とその統合ニーズにのみフォーカスしており、広範なコミュニケーションAPI市場におけるチャンスを逃している。
Vonageは他のUCベンダーとは異なるアプローチを取り、コミュニケーションAPIベンダーのNexmoに加え、“サービスとしてのコンタクトセンター”を提供するNewVoiceMediaを買収した。これらの買収により、今ではUC、コンタクトセンター、コミュニケーションAPIの各製品を提供している。これらの製品は共通のコミュニケーションインフラを使用しており、その機能はAPIを介して、APIの顧客に加えてUCとコンタクトセンターサービスの顧客にも提供されている。この説明はVonageのポートフォリオを正確に伝えきれていないかもしれないが、こうしたラインアップは望ましいものに見える。
APIでエンタープライズコミュニケーション機能を拡張
Vonageのモデルはなぜ望ましいのか。企業ではさまざまなコミュニケーション手段が必要になるからだ。まず必要になるのが、社内のコラボレーションとコミュニケーションの手段だ。これらは従業員間に加えて、数社の外部パートナーとも行う必要があるかもしれない。こうしたエンタープライズコミュニケーションでは、UCが利用される。
顧客や潜在顧客とのコミュニケーションでは、ユーザーと簡単にやりとりできるコンタクトセンターサービスや、代理店および営業チームを管理する機能、CRMソフトウェアとの統合機能が必要になる。従業員が同じツールを使って社内外のコミュニケーションができれば、なお良い。
エンタープライズソフトウェアを接続して使用する場合、プログラマビリティによる統合の柔軟性が要求されることが多く、そこでAPIの出番となる。APIは、UCやコンタクトセンターサービスに直接配置できるが、それではもはや不十分だ。
企業はビジネスにおいて、包括的なコミュニケーションエクスペリエンスを円滑に組み合わせて提供したいと考えている。コミュニケーションは企業にとって、ショートメッセージサービス(SMS)やメッセージングによるマーケティング自動化などの機能を実現したり、顧客とサプライヤーをつなぐコミュニケーションツールを構築したりするためのツールだ。
これらの機能は、もはやUCサービスで統合によって実現するものではなく、コミュニケーションAPIプラットフォームによって作成されるアプリケーションだ。こうしたツールは、企業における他のコミュニケーションオプション、特にUCやコンタクトセンターと統合することが理にかなっている。
今後は企業の間で、包括的なコミュニケーションニーズを満たすために、1社のコミュニケーションベンダーを利用しようという機運が高まりそうだ。これまで、ビジネスコミュニケーションニーズはUCやコンタクトセンターが満たしてきた。だが現在、このニーズには、コミュニケーションAPIを使うことでのみ満たすことができる、カスタムコミュニケーションエクスペリエンスの構築ニーズが含まれるようになっている。
Vonage以外のUCベンダーも同社に追随して、買収か自社開発によって純粋なAPI製品でサービスを拡充することを目指すようになるだろう。
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