炎上の予兆を未然に検知
“ネット炎上”対策を自動化 SNSへの書き込みを解析するツールが充実
従業員のSNS投稿やユーザーの口コミが“ネット炎上”のきっかけとなることがある。ネット炎上が企業に及ぼす影響が大きくなる中、その対策を目的としたツールが充実しつつある。
企業イメージは広告だけでなく、消費者がSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に書き込む情報によって形成されることが少なくない。企業のイメージ戦略にとって不利な情報がSNSで広がり、ブランドイメージを損なったり、企業に対して批判的な意見や誹謗(ひぼう)中傷が集中する“ネット炎上”の原因となったりすることがある。これらのリスクを抑えるために、SNSの書き込みや企業宛てのメールといったテキストデータを解析して、企業のイメージを損なう可能性のある書き込みを特定し、ネット炎上の防止に役立てるためのツールが充実しつつある。今回は2019年5月8日~10日に東京ビッグサイトで開催されたIT製品の総合展示会「Japan IT Week春」(写真1)の展示を基に、ネット炎上を防ぎ、企業イメージを維持するためのツールを紹介する。
口コミやSNSの投稿を解析できる「KIBIT Knowledge Probe」
FRONTEOの「KIBIT Knowledge Probe」は同社の人工知能(AI)エンジン「KIBIT」を使ったビジネスデータ分析支援システムだ。口コミサイトや通販サイトに掲載された自社製品のレビュー、SNSの書き込み、顧客の問い合わせなどのテキストデータを、あらかじめ設定した課題別に自動で整理する機能を搭載している。整理したデータはネット炎上対策だけでなく、マーケティングにも活用できる。
顧客問い合わせの文面からクレーム化の兆候を自動で検出することも可能だ。企業のリスク管理者はKIBIT Knowledge Probeで検出したクレームに優先的に対処することで、二次クレームや炎上を防ぎ、企業のブランドリスクを管理できる。
FRONTEO担当者によると、KIBITを使用したシステムを独自に構築して、短文投稿サービス「Twitter」の投稿を収集し、自企業のブランドイメージに関係する投稿の特定に利用するユーザー企業もあるという。「この仕組みを利用することで、ネット炎上を誘発するコメントを検知し、未然に炎上対策を取ることもできる」(担当者)
炎上の予兆を早期発見するSNS監視サービス「WatchBee」
NTTテクノクロスの「WatchBee」は、Twitterや電子掲示板など「炎上しやすいWebサイト」(NTTテクノクロスの担当者)に特化したインターネット書き込み監視Webサービス。ユーザー企業が事前に指定したキーワードを含んだSNSの書き込みを収集して、その数をグラフで可視化する(写真2)。ポジティブな意見とネガティブな意見のどちらかを特定する機能、書き込まれた回数の多い語句を可視化する「話題ランキング」機能、指定キーワードに関する投稿の急激な増加をアラートメールで通知する機能を搭載している。
企業のリスク管理者はWatchBeeを使うことで「アラートメールによって炎上のリスクがある書き込みや出来事を早期に特定できるため、事態収拾に向けて素早く動き出すことができる」と、NTTテクノクロスの担当者は話す。同サービスを使い自社で実施するアンケートでは収集できない顧客の意見を収集し、マーケティングに生かすユーザー企業もあるという。
料金(全て税別)は初期費用5万円。監視対象キーワードの収集グループ(1グループ当たり3キーワード)ごとに月額料金がかかり、1グループ4万円、2グループ7万円から。
Japan IT Week春では上記の2社のほか、検索エンジンのサジェスト機能に、自社に関するネガティブなワードを表示させない“逆SEO対策”が可能な「ネット監視サービス」を提供するエルプランニングなど、さまざまな切り口からネット炎上対策サービスを提供する企業が見られた。誰もがインターネットで気軽に情報を発信できるようになった現在、従業員のSNSへの投稿やユーザーの口コミが思わぬ“火種”となることがある。今後も企業の炎上対策への注目は続くだろう。
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