大学CIOが語る「Web会議システム」の魅力【前編】
カリフォルニア州立大が旧式のビデオ会議システムから「Zoom」に乗り換えた理由
カリフォルニア州立大学はWeb会議システム「Zoom」 を全キャンパスに導入した。従来利用していたビデオ会議システムからの移行に至った背景と、その選定理由は何だろうか。
企業は生産性を高め、ワークフローを改善するために、映像を使ったコミュニケーションシステムを求めている。高等教育機関も例外ではなく、高等学校や大学も映像を生かして、生徒・学生と教職員のコミュニケーションを改善しようとしている。
カリフォルニア州立大学(CSU)は、テクノロジーを教育に生かす取り組みを進めている。その一環として、学生と教職員の学習やコミュニケーションに利用できるビデオ会議/Web会議システムを必要としていた。
CSUは、2014年 にZoom Video Communicationsと提携し、同校の23カ所のキャンパス全てにWeb会議システム「Zoom」を導入した。同システムのライセンスを4万個以上契約し、約2万人の学生と教職員に対して発行している。
本稿では、CSUの教育におけるテクノロジー活用の取り組みにおいて、品質や信頼性、柔軟性の高いWeb会議システムが必要になったいきさつを前後編にわたり説明する。同校のCIO(最高情報責任者)および学長事務局のCIOを兼任するマイケル・バーマン氏に話を聞いた。
併せて読みたいお薦め記事
さまざまなコミュニケーションツール
Web会議とビデオ会議は何が違うのか
会議システムの移行が必要だった理由
―― Web会議システムで、学生と教職員のどのような問題を解決しようとしたのですか。
バーマン氏 新しいビデオ会議/Web会議システムを探し始めたのは、従来のビデオ会議システムから移行する必要があったためだ。
CSUは長年にわたって、Polycom(Plantronicsが買収)製システムをはじめとする、会議室での利用を前提としたビデオ会議システムを利用してきた。大半のビデオ会議システムがそうした前提を持っていたため、場所に関して多くの問題が発生していた。幅広いデバイスで利用できるWeb会議システムも利用していたが、非常にニッチな使い方で、全体としては満足できるものではなかった。
2013~2014年ごろ、IP通信に関するテクノロジーが盛り上がった。こうした動きに伴い、当校でも優れた製品を選ぶ活動を始めた。当校のテクノロジーリーダーが市場を調査したところ、Zoomは新しいサービスにもかかわらず、多くの組織が好んで利用していた。
Zoomを選んだ理由はそのシンプルさだ。さまざまなデバイスで品質の高い音声と動画を用いたコミュニケーションができることも理由の一つとして挙げられる。当校の学生や教職員がビデオ会議/Web会議システムを利用できるようにするためには、複数のデバイスで動作することが不可欠だった。
当校はまず、21カ所のキャンパスでZoom利用契約を結び、その後23カ所全てのキャンパスに導入した。全体的な目標は、優れたテクノロジーを用意することにより、キャンパスのコラボレーションを後押しし、教室のビデオ会議システムを置き換えることだった。
―― 以前は、どのようなビデオ会議/Web会議システムを利用していましたか。
バーマン氏 これまでさまざまなシステムを利用してきた。当校専用のシステムやPolycomのシステム、Cisco Systemsの「Cisco Webex」、Blackboardの「Blackboard Collaborate」、Adobe Systemsの「Adobe Connect」などだ。一部の小さな部門では依然として古いシステムを利用しているが、AT&Tの古い音声会議サービスはZoomへの置き換えを済ませている。
選定のポイント
―― ビデオ会議/Web会議システムを検討するに当たって、何を評価基準にしましたか。
バーマン氏 品質の高い音声で通信できること、使いやすいシステムであることだ。一貫性があり、質の高いユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)を提供し、導入が容易で、デバイスのリソースをあまり使用しないシステムを求めていた。
当校にとってもう一つの重要な基準がアクセスの容易さだった。当校では、学生と教職員の約3分の2がWindowsを、3分の1がmacOSを利用している。そのため、両方のOSに等価なUXを提供できるシステムを望んでいた。PCだけでなくモバイルデバイスのユーザーにも同じ品質のUXを提供することも考えていた。
コストが予算内に収まることや、シングルサインオンなどの管理用手段があることも欠かせなかった。当校は米国リハビリテーション法第508条(情報技術に関するアクセシビリティーを定めた条例)に準拠したシステムを求めており、Zoomはこの法律への準拠に取り組んでいたことも評価点となった。
後編では、Zoomを実際に利用した学生や教職員の反応、具体的な有用性について紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
大学CIOが語る「Web会議システム」の魅力
映像をコミュニケーションに生かすべく、カリフォルニア州立大学ではWeb会議システムを導入して学生と教職員のつながりを深め、連携性の高いキャンパスを生み出している。同校CIOの話から、製品選定の背景や具体的なメリットを探る。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
5
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
6
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
7
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
-
8
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
9
「SIEMの利用」に関するアンケート
-
10
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー