Microsoftの「Microsoft Teams」とCisco Systemsの「Cisco Webex Teams」。2つのチームコラボレーションプラットフォームがある。自社に最適なのはどちらだろう。専門家が両製品を分析する。
CiscoとMicrosoftはエンタープライズコミュニケーション分野で長い間競争を続けている。最初はインスタントメッセージングで、最近は電話と会議のアプリケーションだ。
2015年、Ciscoはコラボレーションアプリケーション「Cisco Spark」をリリースした。同アプリケーションは、Ciscoの音声サービスと動画サービスを統合し、顧客はリアルタイムコミュニケーションのニーズ全てにCisco Sparkを使用できるというのが売りだった。Microsoftはこれに応じて、2017年初め、同社の「Office 365」で「Microsoft Teams」の提供を開始した。
2017年秋、Microsoftはコミュニケーションアプリケーション「Skype for Business」をMicrosoft Teamsに移行すると発表した。それから間もなく、Ciscoは2018年4月、Cisco Sparkを「Cisco Webex Teams」に改名して「Cisco Webex Meetings」サービスとの統合をさらに強化すると発表し、Microsoftの動きに応じた。これは恐らく、市場に競争を生み出すことを意図しているのだろう。
そのためアナリスト、パートナー、コラボレーション製品の購入を検討するIT部門が「Teams」と言ったら、CiscoとMicrosoft、どちらの製品を話題にしているかを確かめなければならない。
Cisco Webex TeamsとMicrosoft Teams、どちらのコラボレーションアプリケーションも、チャネルや仮想ルームでのメッセージの送受信機能を提供する。どちらもテキストベースの会話を音声またはビデオ通話に切り替え可能だ。チームスペースはさまざまなサードパーティーアプリケーションに統合できる。タッチスクリーン操作ができるホワイトボード型デバイス「Cisco Webex Board」と「Microsoft Surface Hub」もそれぞれ提供する。
どちらのプラットフォームも、互いを統合する機能を用意していない。本稿執筆時点では、Cisco Webex TeamsのインスタンスとMicrosoft Teamsのインスタンスを統合できない。つまりどちらか1つを選ぶか、両方を別々に運用しなければならない。
両アプリケーションには共通点も多いが、大きな違いがある分野もある。
Cisco Webex Teamsは、主に中小企業のユーザー向けに限定的な通話機能を提供する。どちらかといえば、同プラットフォームは、Ciscoの既存の「Cisco Unified Communications Manager」や「Cisco Hosted Collaboration Solution」といった通話プラットフォームを補完/統合することに重点を置いている。同社のユニファイドコミュニケーション(UC)アプリケーション「Cisco Jabber」はCisco Webex Teamsに移行していない。しかし同社は統合の範囲を広げ、Cisco JabberとCisco Webex Teamsクライアントの相互通話を可能にし、通話データの記録をまとめて管理できるようにしている。
Microsoftはこれとは異なる方向に進み、Microsoft Teamsでフルセットの通話機能を提供する。最近では「Skype for Business Online」と同等の機能を実現するまでになっている。現在はSkype for Businessのオンプレミスユーザーと、クラウドベースのユーザーの両方をMicrosoft Teamsに移行しようとしている。既存のオンプレミス通話プラットフォームやPSTN(公衆交換電話網)アクセスサービスと、Microsoft Teamsとの統合をサポートするダイレクトルーティング機能も提供する。Microsoftは、同社から直接PSTNへのアクセスを希望する顧客向けの通話プランも用意している。
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