フリーミアムモデルは成功するか
「Microsoft Teams」無償版でSlackやCiscoに一撃を食らわすMicrosoftの狙いは?
Microsoftは「Microsoft Teams」無償版の提供を開始した。同社の「Office Online」アプリとの統合性を売りに、Cisco SystemsやSlackなどの競合ベンダーに対抗する。
Microsoftが提供を開始した無償版「Microsoft Teams」(以下、Teams)は、「Office Online」アプリを利用でき、競合するコラボレーションアプリ「Slack」やビデオ活用型コラボレーションプラットフォーム「Cisco Webex Teams」に対抗する。
2018年7月12日に提供を開始した無償版Teamsは、「Office 365」の商用利用権付きライセンスを持っていない中小企業や社内部門での利用を想定している。Web版のTeamsは主要なWebブラウザで利用でき、「Safari」にも近日中に対応する予定だという。
Microsoftは無償版Teamsの提供で、Teamsに加えてOffice 365の利用拡大も狙っている。同社は無償版Teamsの発表の際、利用するチームが「成長して規模が拡大したとき、Office 365の価値が分かる」と述べた。Teams内では、クラウド型Officeスイートに含まれるオンライン版の「Microsoft Word」「Microsoft Excel」「Microsoft PowerPoint」「Microsoft OneNote」を使ってコンテンツを作成できる。
Slack、Atlassian、Googleなど他のコラボレーションツールベンダーは以前からフリーミアムモデルを採用しており、こうしたツールをメールの代わりに使ってみたいユーザーに人気だ。IDCのアナリスト、ウェイン・カーツマン氏は「無償版ユーザーを有償版ユーザーに変えるにはどうすればいいか、Microsoftは他社から学ばなければならない」と語る。
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無償版ユーザーを有償版ユーザーへ誘導する決め手は
カーツマン氏によると、Microsoftの場合、有償版への誘導力はオンラインOfficeスイートであり、それが「ユーザーにとって価値のある効果的な差別化要因になる」という。
Microsoftは自社のOfficeアプリの他、他社製アプリと統合する機能も用意している。Teamsに付属の「ストア」では、オンライン会議ソフトウェア「Cisco Webex」や「Evernote」「Trello」など140種のビジネスアプリをダウンロードできる。
Teams無償版では、最大300人のグループを作成でき、チャットメッセージは無制限、オンラインの音声通話とビデオ通話も使用できる。
さらに、最大10GBのグループ用ファイルストレージに加え、1人当たり2GBの個人用ストレージを提供する。
Microsoftの意気込み
Microsoftは無償版Teamsを発表することによって、コラボレーションツール市場で最大のライバルであるCisco SystemsとSlackに「勝負を挑み、少なくとも一撃を食らわす」意気込みを示した、とカーツマン氏は見ている。ただ、ライバルの方には優位性がある。Slackは1500種以上のサードパーティーアプリと統合でき、Cisco Webex Teamsには、同社のネットワークハードウェアやソフトウェアと併せて使用できる利点がある。
Microsoftはコラボレーションツールのポートフォリオをシンプルにすることで戦いに備えている。「Skype for Business Online」をTeamsに移行する計画を発表したが、TeamsでSkype同様の通話機能を提供できるのか、不安視する声が上がった。MicrosoftはTeamsの新しい通話機能を発表して、不安の一掃に努めている。
例えば、他の人にかかってきた電話を受けることができる代理応答機能を追加する。これは企業で必要な機能の一つだ。Teamsで既存の電話インフラを使えるようにするダイレクトルーティング機能も提供する。ただし、この機能を利用するには、Teamsに加え、Office 365サブスクリプションの一部として提供される電話システム(旧称「クラウドPBX」)が必要となる。
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