salesforce.comはTableau Softwareを買収することで、同社のBIとデータ視覚化の機能を大幅に強化した。この動きは、Microsoftに対するSalesforceの競争力を高めている。
salesforce.com(以下、Salesforce)によるTableau Software(以下、Tableau)の買収は、その前週のGoogleによるビジネスインテリジェンス(BI)ベンダーLookerの買収に続くものだ。アナリストによると、どちらの動きもMicrosoftを直撃するという。だが、生み出される結果は恐らく異なるだろう。
Salesforceは、自社のCRM(顧客関係管理)事業を強化し、BIとデータ視覚化の機能を充実させることになる。
GoogleがLookerを買収したのも、Salesforceと考えは同じだ。どちらも自社ブランドと企業向けクラウドツールに経営幹部の関心をもっと引き付けようとしている。CRM大手のSalesforceはTableauを買収することで、Tableauの最大の競争相手だったMicrosoftのBIツール「Power BI」に直接狙いを定めることになる。
Salesforceにとってこれまで最高額となる今回の買収は、株式交換による。そのため、2018年の65億ドルでのデータ連携ツールベンダーMuleSoft買収が利益につながっているかどうか確信を持てない株主も受け入れられるだろう。Salesforceはプレスリリースで、Tableauの買収により2020年1月期の売上高は3億5000万~4億ドルの増加を見込むと発表している。
Salesforceのツールには既に分析機能がある。この機能を他社が提供するツールや、人事、給与計算ツールなどのバックオフィスシステムに拡張して、レポート処理などのタスクの実行をサポートできる。今後のリリースでTableauの視覚化と分析のツールが機能として取り入れられれば、Salesforceのツールにとっては大きなアップグレードになるだろうと、調査会社Constellation Researchの創立者レイ・ワン氏は話す。
Tableauユーザーコミュニティーは既にSalesforceと密接に連携しており、開発作業の一部は既に進んでいる。ただし、Tableau顧客のうちクラウドを利用しているのは、わずか3分の1にとどまる。つまり、適切に連携しなければ移行が大掛かりになり、問題が生じる恐れがあることに注意が必要だ。
ワン氏はGoogleによるLookerの買収を受けて、SalesforceはTableauの買収を急いだのではないかと考えている。「今回の買収は、他社がTableauを買収すればSalesforceが窮地に立たされるという意味では守備的な動きだ。だが、以前にはなかったツールに最高財務責任者(CFO)の関心を引き付けるという意味では攻撃的な動きといえる」(ワン氏)
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