名古屋大学医学部附属病院が研究データ基盤をパブリッククラウドに移行する際、データ保護制度やガイドライン順守は大きなハードルだった。解決策として「Amazon Web Services」(AWS)の採用に至った理由は。
医療情報を研究に用いる場合、「データの匿名化」にまつわるさまざまな問題がある。これを診療科ごとに解決しようとすると、診療科ごとにデータベースが乱立したり、サイロ化したりして非効率になりがちだ。名古屋大学医学部附属病院も同様の問題に直面した。部分最適でなく全体最適を目指した同院は、診療科ごとにばらばらに管理していたデータを集約させた「シーズ情報収集管理システム」と、研究者同士の情報共有に利用する「プロジェクト共有システム」をプライベートクラウドに構築し、研究者のデータアクセスと情報共有の問題を解決した。
こうして名古屋大学医学部附属病院は、診療科の垣根を超えた施設内共同研究や多施設共同研究がスムーズに実現しやすい環境を構築した。その完成には約2年を要し、運用管理の面でも負荷は小さくなかったという。
名古屋大学医学部附属病院の先端医療支援部門でシステム情報室長を務める杉下明隆氏は、システムをパブリッククラウドに移行することを検討したが、医療情報システムに関わる法令やガイドラインの順守が大きなハードルだった。前編「名古屋大学医学部附属病院も直面 なぜ診療科ごとにデータベースが乱立する?」に続き、後編となる本稿は、同院がシステム基盤にクラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)を選んだ理由と、AWSで運用しているシステムの実例を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
遠隔医療体制を構築する際は、患者や通常業務への影響を押さえながら進める必要がある。パンデミック下で一斉に遠隔医療体制を構築した2つの医療機関の例を紹介する。
オーストラリアでは処方箋の完全電子化が一般化しているが、制度確立までの道のりは平たんではなかった。完全電子化を阻んだ課題とその解決策とは。
コロナ禍を契機に、湾岸諸国では「デジタルヘルスケア」への移行が加速している。湾岸諸国におけるデジタルヘルスケア産業の重点投資分野とは。デジタルヘルスケア推進の”壁”とその対処法についても紹介する。
医療機関は膨大なデータを扱い、そのデータに基づいて重要な決定を下す場合がある。一方、データの質は低くなりがちだ。それはなぜか。データの品質を改善させるために必要な方策と併せて紹介する。
英国の国民保健サービスでイングランド地域を管轄するNHS Englandが、医療サービス向けの新データ基盤を構築している。この計画に英国市民団体が“待った”をかけたという。なぜなのか。
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...