仮想化の技術が登場した当初は、稼働率の低い物理サーバを集約することによるコスト削減がその主な目的だった。仮想化の導入が進むと、コスト削減よりも仮想マシンによるインフラ設計の自由度向上や運用の俊敏性向上といった利点が次第に明らかになった。
コンポーザブルインフラの目的は、仮想マシンで実現した設計の自由度や俊敏性の利点をベアメタル(OSやソフトウェアがインストールされていない物理サーバ)に持ち込むことにある。これを実現するためにコンポーザブルインフラはコントローラーを使用する。コントローラーによってサーバ、ネットワーク、ストレージを自由に組み合わせてカスタマイズしたインフラの構築が可能になる。コンポーザブルインフラは短期的に必要とされる用途に対して特殊な構成のインフラを提供することが可能だ。前後編に分けて、コンポーザブルインフラにまつわる疑問とその答えを示す。前編は主要な4つの疑問のうち2つを紹介する。
コンポーザブルインフラが適しているのは変更が多い動的な環境だ。ハイパーバイザーによる仮想マシンのクラスタ構成が最適な手段とはならない環境とも言える。例えば数週間から数カ月という短期的なプロジェクトだ。コンポーザブルインフラはこうしたプロジェクトのために、プールしたリソースを使ってカスタマイズしたインフラを個別に構成する。
あるプロジェクトではカーネルベースの仮想マシンが必要になることもあれば、別のプロジェクトではVMware製の仮想マシン、さらに別のプロジェクトではベアメタルのコンテナあるいは複数の仮想マシンを併用する環境が必要になることもある。コンポーザブルインフラであれば、ソフトウェアとソフトウェア定義のハードウェアを使用して必要とする環境を構成することが可能になる。
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