「コンポーザブルインフラ」4つの疑問【後編】
コンポーザブルインフラを使うべき企業、使ってはいけない企業を分ける条件
サーバ、ストレージ、ネットワークなどのインフラのコンポーネントを必要に応じて構成可能にする「コンポーザブルインフラ」。これが適している用途もあれば、必要のない用途もある。
前編「『コンポーザブルインフラ』とは何か? 何をコンポーザブルにするのか?」は、コンポーザブルインフラにまつわる主要な4つの疑問のうち2つを取り上げた。後編は残る2つの疑問とその答えを示す。
併せて読みたいお薦め記事
「コンポーザブルインフラ」とは何か
- 「コンポーザブルインフラ」はHCIやコンバージドインフラと何が違うのか
- 「コンポーザブルインフラ」は「HCI」と何が違う? 注目される理由は
- 「コンポーザブルインフラ」がAWSより優れている点と、期待される役割は?
ハイパーコンバージドインフラ(HCI)選びのポイント
目次
- 疑問1.コンポーザブルインフラが必要になるのはいつ?(前編)
- 疑問2.何をコンポーザブルにするのか?(前編)
- 疑問3.コンポーザブルインフラが適している用途は?
- 疑問4.コンポーザブルインフラが適さない用途は?(会員限定)
疑問3.コンポーザブルインフラが適している用途は?
簡単に言えば、アプリケーションが必要とするものは何でも、コンポーザブルインフラのリソースとして組み立て可能だ。従来型のハイパーバイザーによって仮想マシンのクラスタを構成したストレージ内臓のサーバ群を必要とする場合もあれば、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)のクラスタとして構築されたSAS(Serial Attached SCSI)接続型ストレージ搭載のサーバ群を必要とする場合もあるだろう。
プロジェクトによっては、小規模なSAS接続のストレージを搭載したLinuxベースのサーバを必要とすることもある。コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」やインメモリデータ処理システム「SAP HANA」、データベース管理システム「Oracle Database」などを稼働させるクラスタを必要とする場合だ。この場合、SANが共有の永続ストレージとなる可能性がある。
1日、1週間、1カ月といったスパンで複数の異なる役割をコンポーザブルインフラに持たせる用途も考えられる。例えば日中はソフトウェア開発チーム向けのクラスタとして構成されているサーバを、夜間は膨大な量のデータ分析のクラスタとして構成する、といった具合だ。
コントローラーは、リソースの必要性に応じてホストの役割を開発チームのクラスタとデータ分析の間で動的に切り替えることもできる。スケジューラーによって、サーバ、ストレージ、ネットワークのリソースを管理し、自動的にシステムを構成することも可能だ。
疑問4.コンポーザブルインフラが適さない用途は?
コンポーザブルインフラは、サーバ数の追加で性能を高める「スケールアウト」の可能なアプリケーションが主なターゲットとなる。スケールアウトは物理的な場合でも仮想的な場合でも構わない。だが複数のプロセッサとメインメモリで一つの大きなアドレス空間(識別番号によってアクセスできるメモリの範囲)を構成することはできないため、リソースのスペックアップで性能を高める「スケールアップ」の範囲は限られる。
高い俊敏性が必要ではない用途の場合も、コンポーザブルインフラは不要だ。例えば3~5年の運用を計画しているSAP HANAの環境があるとする。この環境は、動的なコンポーザブルインフラよりも静的な運用に最適化したハードウェア構成の方が適している。
仮想環境に変更を加えることなく、常に同様の運用が可能なアプリケーションには、コンポーザブルインフラは必要ない。ただしコンポーザブルインフラのコントローラーを利用して、アプリケーションが仮想マシンと物理サーバにまたがるように構成することは可能だ。
コンポーザブルインフラを使用すると、物理サーバで仮想マシンと同様の設計の自由度と運用の俊敏性を得られる。その結果、アプリケーションの要件に基づいてサーバ、ストレージ、ネットワークのリソースプールからカスタム構成のインフラを構成し、ニーズの変化に応じてインフラの構成を変えることが可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「コンポーザブルインフラ」4つの疑問
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
5
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
6
「Linuxサーバの長期運用とRed Hat Enterprise Linux」に関するアンケート
-
7
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
8
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
9
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
10
DXを阻む「動くだけ」のレガシーシステムに決別するための生成AI活用術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー