「Firefox」が操作不能になる脆弱性 ダイアログが“無限”に出現2016年から存在

「Firefox」を操作できなくなる脆弱性が、2019年11月に報告された。この脆弱性は過去に修正が試みられたにもかかわらず、これを悪用した攻撃が引き続き発生しているという。それはなぜなのか。

2019年12月28日 08時30分 公開
[Michael HellerTechTarget]

 Webブラウザ「Firefox」に脆弱(ぜいじゃく)性が見つかった。攻撃者がこの脆弱性を悪用すると、Firefoxの認証ダイアログを無限に表示させることができる。実際の悪用例も観測されているという。この脆弱性が発見されたのは最近のことだが、少なくとも2016年から同様の脆弱性が存在していたことが明らかになった。

 この脆弱性を悪用した攻撃は、ユーザーに悪質なWebサイトを訪問させて警告を出し、「Authentication Require」(認証が必要)の文言を記したダイアログを表示する。ユーザーはそのダイアログを閉じることも、「キャンセル」ボタンを押すこともできず、新しいダイアログが無限に増殖し続けて、実質的にユーザーが利用中のFirefoxから締め出されてしまう。

 この脆弱性を発見したのは、セキュリティ企業Malwarebytesで脅威インテリジェンス担当責任者を務めるジェローム・セグラ氏だ。「これは人の心理的な隙を突く『ソーシャルエンジニアリング』攻撃につながる可能性がある」とセグラ氏は説明する。Webブラウザをロックする攻撃は一般的に、PCにダメージを与えるためではなく、ユーザーを脅すためのソーシャルエンジニアリングの手口として利用される。

 「Windows」「macOS」「Linux」向けのバージョン「Firefox 70」が、この脆弱性の影響を受ける。セグラ氏は実際に、この脆弱性が悪用されていたとも指摘する。

同種の脆弱性は2016年から存在 なぜ放置されていたのか

ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...