Linuxディストリビューションを選ぶ前には、幾つか把握しておかなければならないポイントがある。代表的な「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)と「Ubuntu」の違いを整理する。
企業で幅広く使用されている「Linuxディストリビューション」(「Linux」の配布パッケージ)の代表例は「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)と「Ubuntu」だ。両者には重要な相違点が幾つかある。前後編を通じてRHELとUbuntuを比較する上で重要な、以下の4つの比較ポイントを紹介する。
前編である本稿はまず両者の概要を整理し、1つ目の比較ポイントを紹介しよう。
RHELの最新版であるバージョン8は、セキュリティとコンプライアンス(法令順守)に重点を置いている。システム全体の暗号化ポリシーや監査に関連する機能を強化した。具体的には、「TLS」(Transport Layer Security)や「IPsec」といった通信路暗号化技術の他、DNS(ドメインネームシステム)のセキュリティ拡張仕様「Domain Name System Security Extensions」(DNSSEC)、ユーザー認証の「Kerberos」を利用できる。
管理容易性も向上している。クラウドであってもオンレプミスであっても、仮想マシン(VM)であってもベアメタル(物理)サーバであっても、どこで実行しているサーバでも同じ管理ツールを使用できる。ユーザーエクスペリエンスの一貫性を高める点が特徴でもある。
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