「ロボアドバイザー」「自然言語処理」がトレーダーと投資家の行動を変えるAI技術で株式市場予測

株式市場予測用のソフトウェアロボット開発が進んでいる。AI技術を使用した株式市場予測が、金融機関のトレーダーや投資家に与える影響とはどのようなものだろうか。

2020年04月07日 05時00分 公開
[Kathleen WalchTechTarget]

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 銀行などの金融機関は、データ駆動型の分析システムを実用化し、自動化とインテリジェンスのレベルを高めることの価値をすでに重視している。富裕層に向けて投資のアドバイスをする資産管理者はAI(人工知能)技術を使用して、より多くのクライアントにサービスを提供している。金融機関に所属するトレーダーや投資家は、いくらかでも市場優位性を確保するために、株式市場予測用のソフトウェアロボットを開発している。

 翌日の株価を推測するために使用できる数学的予測の実現は極めて難しいとしても、トレーダーと投資家はデータの活用に貪欲だ。ヒント、トリック、ツールを自由に活用すれば、競合相手に対してわずかでも有利になるのに役立つ。AI技術もそうしたツールの一つになりつつある。

AI技術による市場の変革

 トレーディングフロアでAI技術が使用される最大の用途の一つは、株式市場やグローバルファイナンス、リスクレベルの変化のモデル化だ。これは、金融機関が潜在的な問題を発見するのに役立つ。AI技術は、企業を比較して市場を詳細に分析し、これを他の情報と組み合わせて可能な結果を予測評価し、投資に関するアドバイスを提供して、取引に反映できる。

 株式市場で競争力を維持するには、ニュースを定期的に読み、株式を常にチェックする必要がある。そのため、企業はAI技術を使用して株式市場に投資アドバイスやニュースを提供するツールを構築している。これらのツールの一部を使用すると、エンドユーザーは特定の株式、特定の種類の取引、価格などの指標を調整できる。

 株式市場と、市場に影響を与える要因をソフトウェアロボットが監視し、エンドユーザーにリアルタイムに情報を提供する。ミリ秒単位の時間が重要な状況では、この速度は非常に大きな価値があり、競合他社よりわずかでも早く情報を得ることが大きな違いを生む可能性がある。

 株式市場をリアルタイムで調査して市場の複雑なパターンを追跡し、そのパターンを分析することにより、コンプライアンス(法令順守)を確実に進めながらリアルタイムのリスク評価を可能にするツールもある。EquBotやAlphaSenseなどのさまざまなベンダーは、株式市場のわずかな変化を監視するツールを構築している。

「自然言語処理」「拡張インテリジェンス」で人のトレーダーを補強

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