NAND型フラッシュメモリには「SLC」「MLC」「TLC」「QLC」といったタイプに加え、「3D」も登場している。それぞれどのような違いがあり、どのような用途に適しているのだろうか。
NAND型フラッシュメモリは、HDDのような磁気記憶装置に対抗するフラッシュストレージ用のメモリとして開発された。データ読み書き速度など記憶装置の性能を向上させることがその目的だった。NAND型フラッシュメモリが誕生する以前のフラッシュメモリは、他の記憶媒体と比べて高額だった。そうした中で、NAND型フラッシュメモリは「bit単価の低減」と「チップ当たりの容量拡大」を実現して、記憶装置市場でその地位を確立した。
現在までにさまざまなタイプのNAND型フラッシュメモリが誕生している。一見すると個々の違いを理解することは難しそうだが、実は意外とシンプルだ。それぞれの名称がメモリセルに格納するbit数を表していることを理解すれば、NAND型フラッシュメモリのタイプを理解することはそれほど難しくはない。
主要なNAND型フラッシュメモリの特徴や用途、長所、短所などをタイプや構造別に解説する。
「シングルレベルセル」(SLC)は名前の通り、1つのメモリセル(データ読み書きの最小単位)に1bitを格納するNAND型フラッシュメモリのタイプだ。SLCのNAND型フラッシュメモリは蓄積した電荷の有無によって、「0」か「1」の2つの状態を表す。メモリセルの状態が2つだけなので、素早く状態を判別できることが特徴だ。
SLCはNAND型フラッシュメモリのタイプの中で最も単純な仕組みを採用しているため、データ読み書き時のエラーが発生する確率が低い。SLCのNAND型フラッシュメモリはメモリセルのデータ書き換え回数の限度が約10万回と比較的多く、耐久性はNAND型フラッシュメモリの主要なタイプの中で最も高くなる。その半面、1つのメモリセルに2bitを格納する「マルチレベルセル」(MLC)など他のタイプと比べて、価格は高額になる。ただしSLCのタイプはパフォーマンスと信頼性も高いことから、商用アプリケーションや産業用アプリケーションに使用される傾向がある。
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