物理的なGPU(グラフィックス用プロセッサ)を抽象化して論理的に分割できるようにする「GPU仮想化」の導入には、さまざまなメリットがある。例えばユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)の改善、CPU使用率の低減、リソースを大量に消費するリソース集約型アプリケーションの実行速度向上といった具合だ。IT担当者は、アプリケーションが仮想GPUを効率的かつ低コストに使用できるかどうかをあらかじめ確認しておかなければならない。そうしないと仮想GPUが頻繁にアイドル(待機)状態になり、余計な負荷が生じてしまう恐れがある。
これまでGPU仮想化は一般的に、画像描写の負荷が高いアプリケーションや「VDI」(仮想デスクトップインフラ)で使用されてきた。今ではVMwareやNVIDIAのようなベンダーが使いやすいGPU仮想化の関連技術を開発し、IT担当者がそれらをデータセンターに導入し始めている。IT担当者はGPU仮想化の導入を本格的に進める前に、その用途を理解して、導入するかどうか慎重に調査、検討すべきだ。
IT担当者はGPU仮想化を使って、サーバの高密度化やUXの向上を図れる。オフィススイート「Microsoft Office」など特定のアプリケーションや「Windows 10」のCPU使用率を低減することも可能だ。例えばプレゼンテーションソフトウェア「Microsoft PowerPoint」使用時のCPU使用率が30%に達していた場合、GPU仮想化を使えば、CPU使用率を10%に抑えるといったことを実現できる。
GPU仮想化の他の用途としては、エンドユーザーに提供するアプリケーションの稼働、仮想デスクトップの機能強化、クラウドからデータセンターへのハイエンドワークステーションとリソース集約型アプリケーションの移行などが挙げられる。
VDIで稼働させている仮想デスクトップの画面表示速度や入力への応答速度といったパフォーマンスが、最適な水準を下回ることがある。GPU仮想化を利用すれば、IT担当者はパフォーマンスを維持しながら、複雑な処理を実行できる。例えばデータセンターで稼働する仮想GPUで複雑な業務を処理することで、エンドユーザー端末のリソース消費を削減している企業もある。
CPUの処理能力を節約することは、ハードウェアとその設置スペース、冷却にかかる各コストの最適化につながる。これらは全て、VDIなどの仮想化システムのパフォーマンス最適化と両立させることができる。
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