開発者には「ノートPC」ではなく「デスクトップPC」の理由【前編】
ノートPCより「デスクトップPC」を買うべき理由 価格、周辺機器、修理面で考察
ノートPCとデスクトップPCのどちらを選ぶべきなのか。持ち運びのしやすさを考慮するとノートPCを選びたくなるが、冷静に用途を考えると実はデスクトップPCの方が適切であることも少なくない。選択の視点を示す。
企業が新入社員に“誤った電子機器”を支給することに、私はいつも驚かされる。開発スタッフの新人には、高価で高性能なノートPCの代わりに、デスクトップPCを貸与すべきだ。モバイルワーク用のPCが必要な場合は、手頃な価格のノートPCを貸与すればよい。
開発者にはノートPCよりデスクトップPCの方が適していると、私は考えている。理由は幾つもある。以下の観点から、開発者はデスクトップPCを使う方が理にかなっている。
- 価格と処理速度のバランス
- 周辺機器の充実度
- アップグレードと修理の容易さ
- エルゴノミクスの重視度(後編で紹介)
- リソース構成の多様さ(後編で紹介)
- セキュリティ確保の容易さ(後編で紹介)
理由1.価格と処理速度のバランス
ノートPCは、消費電力を最小限に抑えることで、バッテリー駆動時間を延ばしている。通常、デスクトップPCと比べて、処理能力がかなり低い省電力プロセッサを搭載しているからだ。ノートPCの製造には、プロセッサを小型の筐体に収めるために高度な製造技術を必要とする。ノートPCの価格が高いのは、その結果だ。同等の価格であるIntelのデスクトップPC向けプロセッサ「Intel Core i7-9700K」とノートPC向けプロセッサ「Intel Core i7-9850H」のベンチマークテスト結果を比較すると、前者の方が実行的な処理速度が23%高速だ。この違いは大きい。
このように、価格と処理速度に関して言えば、デスクトップPCの方がノートPCよりも価格性能比が高い。
理由2.周辺機器の充実度
モダンなノートPCは、ベンダーがコストを抑え、量産能力を確保するために、幾つかの大きな妥協が必要となっている。例えばAppleはノート型デバイスの薄型化を追求し、キーボードのキーの高さを削り、キーストローク(キーを押し込む深さ)を浅くしてきた。そのために一部のエンドユーザーからは、この設計では「使い物にならない」という不満の声も上がっている。
ノートPCのディスプレイの視野角は、安価なモニターよりもかなり狭い。マウスポインタを動かす小型装置の「ポインティングスティック」を備えるノートPCもあるが、タッチパッドのマウス機能を使うと、マウスを使う場合と比べて生産性が下がってしまう傾向がある。
デスクトップPCでは、複数の高品質モニター、メカニカルキーボード、ゲーミングマウス、高音質のスピーカーシステムといった構成を組むこともできる。ノートPCユーザーはこの装備をうらやましがるに違いない。しかもこの構成は、高額なノートPCよりも低予算で実現可能だ。
理由3.アップグレードと修理の容易さ
簡単に修理やアップグレードができることは、デスクトップPCのメリットの一つだ。一般的なノートPC向けプロセッサは、マザーボードにはんだ付けされており、容易に交換できない。これに対してデスクトップPCに搭載されたプロセッサを交換するのは比較的容易だ。そのプロセス全体の所要時間は1時間以下だろう。こうして安価に大幅なアップグレードができる。
開発者が多少の技術的センスを持っていたり、技術者に依頼できたりすれば、デスクトップPCではメモリやグラフィックボードの交換も簡単にできる。こうした作業はノートPCでは推奨されておらず、大抵は不可能だ。こうした作業をするのは、技術的な専門家だけだろう。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
比較資料
[セコムトラストシステムズ株式会社] 「自社に合うEDR」はどれか分かる? 比較・検討時の見極めポイントを解説 -
製品資料
[アルプス システム インテグレーション株式会社] まだ社内で眠らせたまま? AI活用の糧となる「データ資産」を有効利用するには -
市場調査・トレンド
[AvePoint Japan株式会社] “SCS評価制度”対応の第一歩、自社環境と要求事項とのギャップを把握する方法 -
製品資料
[株式会社BREXA Technology] 情報整理の自動化でインシデントの初動対応を効率化、AIエージェント活用のコツ -
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
2
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
3
「WSUS」終了の時限爆弾 “本命”移行先ツールとMicrosoft提唱の新管理手法
-
4
VMware離れの決め手は“機能”以外だった 情シス109人が選んだ新基準と死角は
-
5
Claude Codeでは「エージェントを作るな、スキルを作れ」 Anthropicが示すAI構築術
-
6
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「企業におけるAIの運用」に関するアンケート
-
9
「IBM i(AS/400)はクローズドなシステム」という誤解 DXに寄与する一歩
-
10
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
2
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
3
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
4
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
5
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
6
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
7
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
8
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
9
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
10
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー