TCP/IPの7大脅威【後編】
シーケンス番号予測攻撃、中間者攻撃、DDoS攻撃とは? TCP/IPを襲う攻撃
「TCP/IP」を脅かすサイバー攻撃には、どのようなものがあるのか。主要な攻撃のうち「シーケンス番号予測攻撃」「中間者攻撃」「DoS/DDoS攻撃」の概要と対策を解説する。
インターネットで安全な通信をするためには、その基本的なプロトコル群「TCP/IP」に関する攻撃と対策を知っておくことが重要だ。前編「いまさら聞けない『TCP/IP』とは? 何が危険なのか?」、中編「ARPスプーフィング、ポートスキャン、ICMP攻撃とは? 『TCP/IP』を狙う攻撃」に続き、TCP/IPを取り巻く主要な攻撃と対策を紹介する。
- IPスプーフィング(前編で紹介)
- ARPスプーフィング(中編で紹介)
- ポートスキャン(中編で紹介)
- ICMP攻撃(中編で紹介)
- シーケンス番号予測攻撃
- 中間者攻撃(会員限定)
- DoS/DDoS攻撃(会員限定)
5.シーケンス番号予測攻撃
概要
前編で紹介した通り、TCP/IPを構成する主要プロトコルである「IP」(インターネットプロトコル)は、伝送するデータをパケット単位に分割する。もう一つの主要プロトコル「TCP」(伝送制御プロトコル)は、これらのパケットに順序付けのための番号である「シーケンス番号」を割り振る。送信元は全てのパケットを受け取ると、シーケンス番号に基づいてパケットを再編成する。
シーケンス番号予測攻撃は、攻撃者がシーケンス番号を予測し、送信者になりすまして偽のパケットを差し込む。その際、後述のDoS(サービス拒否)/DDoS(分散型サービス拒否)攻撃によって正規の送信者を隔離する。偽のパケットを送ることで、攻撃者は標的のシステムに侵入して、マルウェアを仕込めるようになる。
対策
インターネット関連技術の標準化団体IETF(Internet Engineering Task Force)は、シーケンス番号予測攻撃を防止するため、シーケンス番号を付ける新アルゴリズムを2012年に公開した。「パケットフィルタリング」を使用して不正なIPアドレスをブロックすることで、さらにセキュリティを強化できる。
6.中間者攻撃
概要
クライアントとサーバの間に攻撃者が割り込み、そこでやりとりされるデータに対して不正操作を実施する攻撃が中間者攻撃だ。攻撃者はデータの傍受、挿入、変更といった操作をクライアントやサーバに気付かれずに実行できる。
対策
強力な認証を導入することが、中間者攻撃への防御になる。具体的には、認証機能を提供するTLS(トランスポート層セキュリティ)やSSH(セキュアシェル)といった暗号化プロトコルが利用できる。HTTPS通信を使用するセキュアなWebサイトのみにアクセスを制限したり、公衆の無線LANに接続しないようにしたりすることも重要だ。
7.DoS/DDoS攻撃
概要
標的システムのネットワーク、サーバ、Webサイトなどの遅延やシャットダウンを引き起こすDoS/DDoS攻撃は、正当なシステムやエンドユーザーからのアクセスを阻害する。
対策
DoS/DDoS攻撃の標的になることを防ぐことは困難だが、システムを最新の状態に保ち、不審なアクセスがないかどうか監視することで、攻撃による被害を軽減できる。負荷分散機能を持つ「ロードバランサー」の利用はDoS/DDoS攻撃対策になる。
全体的に言えるのは、セキュリティの確保にはシステムにパッチを適用することが重要だということだ。ファイアウォール、マルウェア対策、「IDS」(侵入検出システム)/「IPS」(侵入防止システム)も役に立つ。TCP/IPはインターネットにとって欠かせない存在であるが故に、随所で使用されている。そのことを忘れてはいけない。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社ビザスク] 製造業の新事業創出 成功の鍵は「タラレバ問題克服」と「3つの判断ポイント」 -
製品資料
[日本シーゲイト株式会社] 実験のやり直しを防止 研究データ基盤に求められる高可用性ストレージとは -
製品資料
[株式会社Leaner Technologies] もっと安く買えるのに…… 間接材購買で“コスト削減機会”を逃さないためには -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] フィールドサービスの熟練技術者が「AIエージェント」を求めている理由 -
製品資料
[株式会社グリーンフィールド・オーバーシーズ・アシスタンス] 基礎から分かる「就労ビザ」 アメリカ進出を目指すなら知っておきたい取得戦略
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
DXを阻む「動くだけ」のレガシーシステムに決別するための生成AI活用術
-
2
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の機能とスペックを徹底比較
-
3
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
4
全社標準「Copilot」にダメ出し? 現場の8割が不満を抱く“致命的な欠点”
-
5
AIが本番環境を削除し復旧に13時間 「暴走」ではなかったAWS事例
-
6
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
-
7
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
8
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
-
9
「HDD終了」は本当か 巨大クラウド2社が下した大容量フラッシュへの決断
-
10
IT人材の42%が転職予備軍 辞めさせない組織の4つの共通
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
登録セキスぺが語る「SCS評価制度」の舞台裏 星を取得すべき理由と対応のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
OSSでは困難 100超のサービスを持つマネーフォワードが実践した統合監視術
-
4
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
5
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
6
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
7
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
8
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
9
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
10
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー