OSSは危険なのか【後編】
ほぼ確実に侵入可能? 正規プログラムを乗っ取る「スクワッティング」の脅威
OSSの正規のプログラムを乗っ取る攻撃方法「スクワッティング」をセキュリティ研究者が発見した。具体的な攻撃方法や危険性を解説する。
セキュリティ研究者のアレックス・ビルサン氏とジャスティン・ガードナー氏は、ソースコード保管場所であるレジストリに、偽のソースコードを忍び込ませる攻撃手法を発見した。この攻撃手法は、オープンソースソフトウェア(OSS)のパッケージ(拡張機能群)のうち、企業が社内でホストしているプライベートなパッケージの名前が、ソースコード共有サービス「GitHub」で誤って公開されていたことを悪用。正規のプライベートパッケージを偽った悪質なソースコードをレジストリにアップロードすることで、標的企業に偽のソースコードをダウンロードさせ、標的に侵入する。
「ほぼ確実に侵入可能」 スクワッティングの本当の怖さ
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正規のプログラムを乗っ取るこうした攻撃を「スクワッティング」(不法占拠)と呼ぶ。攻撃者はスクワッティングを応用して、標的の企業がレジストリから最新版のソースコードをダウンロードしてアップデートする際、悪質な偽のソースコードを標的の企業にダウンロードさせる攻撃を実行できる。
ビルサン氏はApple、Microsoft、Tesla、Netflixなど35社以上の企業に、偽のソースコードを用いた攻撃を実行できる危険性があることを確認した。この危険性が見つかった企業の大半は従業員数が1000人を超える企業だったという。「大規模な企業ほど、社内でプライベートパッケージを使用する割合が高いからではないか」と同氏は指摘する。
攻撃者がスクワッティングに有効なプライベートパッケージの名前を取得できれば「ほぼ確実に標的企業のLANに侵入でき、遠隔での攻撃が実行可能になる」とビルサン氏は説明する。この攻撃が成功すれば、攻撃者は標的企業のシステムにバックドア(侵入口)を仕込むことも可能になる。
ソフトウェアの提供・更新における脆弱性を狙った攻撃は最近、商用ソフトウェアとOSS双方の大きな懸念事項になっている。そのきっかけになったのは、セキュリティベンダーSolarWinds Worldwide(以下、SolarWinds)に対するサプライチェーン攻撃だ。
SolarWindsを狙ったサプライチェーン攻撃では、国家レベルの攻撃者が数カ月かけて偵察した後、SolarWindsのインフラ監視製品「Orion Platform」のアップデートデータにバックドアを仕込んだ。このアップデートデータは2020年、MicrosoftをはじめSolarWinds製品を利用する1万社以上の企業が入手した。
ビルサン氏が今回の調査を実施したのはSolarWindsへのサプライチェーン攻撃が判明する前だった。調査によってサプライチェーンセキュリティの重要性があらためて浮き彫りになった形だ。
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