AWSの「クラウドIAM」7選【前編】
AWS IAM、Amazon Cognito、AWS Directory Serviceとは? AWSの主要クラウドIAM
AWSはIDおよびアクセス管理(IAM)のクラウドサービス「クラウドIAM」を提供する。その中から「AWS IAM」「Amazon Cognito」「AWS Directory Service」の特徴を説明する。
「IAM」(IDおよびアクセス管理)はアプリケーションの安全性を確保するために欠かせない。企業がIAMを導入して、さまざまなアプリケーションへのアクセス制御を実現するには時間がかかる。Amazon Web Services(AWS)はIAMのクラウドサービス(以下、クラウドIAM)を複数提供している。こうしたクラウドIAMを利用すれば、IT部門はIAMの導入にかかる時間を短縮できる。
AWSのクラウドIAMの中でどれが適切かは、アクセス制御の対象となるアプリケーションと、それに関する企業固有のさまざまな要因が左右する。アプリケーション開発に使うフレームワーク(特定の設計思想に基づくプログラム部品やドキュメントの集合体)や企業規模、社外システムとの連携状況などが関係する。
本稿はAWSのさまざまなクラウドIAMの中から「AWS Identity and Access Management」(AWS IAM)と「Amazon Cognito」「AWS Directory Service」の3サービスの特徴と、それぞれのサービスが適する用途を説明する。
AWS Identity and Access Management(AWS IAM)
AWS IAMはAWSの基本的なクラウドIAMだ。IDおよびポリシーに基づいた詳細なアクセス制御を実現する。アプリケーション管理者はAWS IAMを利用して、エンドユーザーに対してAWSのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)やリソースへのアクセス権限を付与できる。管理コンソール「AWS Management Console」(AWSマネジメントコンソール)やソフトウェア開発キット(SDK)、コマンドラインインタフェース(CLI)を通じてAWS IAMを利用する。
他にもAWSのクラウドIAMは複数存在する。こうしたクラウドIAMは、AWS IAMと比べてアクセス制御の対象を絞っている。
Amazon Cognito
Amazon Cognitoは、アプリケーションにエンドユーザーの認証機能を追加するためのクラウドIAMだ。AWSリソースへの簡単なアクセス制御機能も利用できる。
「ユーザープール」というユーザーディレクトリが、Amazon Cognitoの特徴だ。ユーザープールを利用することで、管理者はアプリケーションにアクセスするエンドユーザーに関するデータを保管できる。開発者はAmazon CognitoでIDとパスワードのルールを設定したり、FacebookやGoogleなどのサードパーティーIDプロバイダーとのIDフェデレーション(認証連携)を実現したりすることが可能だ。
Amazon CognitoはアプリケーションからAWSリソースへのアクセス権限を管理することもできる。管理者はWebアプリケーション開発サービスの「AWS Amplify」を通してAmazon Cognitoを利用できる。
AWS Directory Service
Microsoftのディレクトリサーバ「Active Directory」をAWSが運用して提供するマネージドサービスが、AWS Directory Serviceだ。AWS Directory ServiceはオンプレミスのActive Directoryとクレデンシャル(IDやパスワードなど認証に必要なデータ)を同期し、エンドユーザーに対してAWSサービスのリソースやAWSマネジメントコンソールへのアクセス権を付与する。AWS Directory Serviceは仮想マシンサービス「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)やデータベースサービス「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)のインスタンス(仮想サーバ)など、さまざまなリソースに対する認証に利用できる。
AWSで稼働するアプリケーションに対して、オンプレミスシステムへのアクセス権を付与することも可能だ。そのためオンプレミスインフラとクラウドサービスを併用するハイブリッドクラウドを構築・運用する企業に適している。
中編は「AWS Resource Access Manager」「AWS Organizations」「AWS Control Tower」を説明する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
2
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
kintoneで実践 製造業のための「見積もり管理」改善のヒント
-
6
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
7
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
8
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
9
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
10
DXを阻む「動くだけ」のレガシーシステムに決別するための生成AI活用術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー