トロント大学ミシサガ校はパンデミックを受けて、オンライン教育へと迅速に移行した。移行を支援したのは、教育分野未経験のITベンダーだ。両者はどのように移行を進めたのか。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で対面授業が困難になったとき、教育機関は迅速にオンライン教育を導入して、変化に適応する必要があった。短期間でオンライン教育に移行せざるを得なかった教育機関は概して、ITサービスベンダーを頼った。教育機関は、オンライン教育移行プロジェクトの要件を決めるための支援もITサービスベンダーに求めた。
カナダにあるトロント大学ミシサガ校(University of Toronto Mississauga、以下UTM)は、短期間でオンライン教育への移行を実施した高等教育機関の一つだ。同校は、2020年の秋学期の開始まで3カ月を切った時期に、学生と教職員が、同校が提供する学術用Webアプリケーションにリモートアクセスできるようにするプロジェクトを始めた。1967年に開校したUTMには、3800人を超える教職員と1万5000人を超える学生が所属している。
IT製品、サービスの候補を評価したUTMは、ITサービスベンダーThird Octetとの提携を決めた。同社は、Citrix Systems製品の販売認定資格である「Citrix Solution Advisor」の上位レベル「PLATINUM」を保有する。Third Octetは、UTMに以下を提案した。
Third Octetの最高経営責任者(CEO)マシュー・メテルスキー氏は、CitrixをThird Octet創業以来のパートナーであり「常に戦略が合致する強力な味方だ」と語る。メテルスキー氏はUTMの卒業生でもある。Third Octetは、法曹界、非営利団体、医療、金融、製造といった業界に焦点を当てて事業を展開している。同社にとって高等教育市場におけるプロジェクトは注力分野とは若干異なるものだった。だがそのことは、UTMがThird Octetと提携することの障害にはならなかった。「当社のスタッフ全員がこの取り組みを支援した」とメテルスキー氏は振り返る。
後編は、短期間での導入のためにUTMとThird Octetが実施した選択と集中について紹介する。
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