5G環境は整いつつあるが、2022年は通信事業者にとって厳しい年になりそうだ。メタバースは5Gを推進するのか。さらに有望なサービスはあるのか。
Analysys Masonが2022年のトレンド予想を発表した。その中から一般消費者市場向け5Gの動向をまとめた。この予測ではAR(拡張現実)やVR(仮想現実)を一般消費者に浸透させるメタバースの可能性、オンラインゲーム戦略、コネクテッドホームやネットワークへの投資が取り上げられている。
2022年はモバイル事業者の戦略が分化するだろう。5Gは2つの方向性で開発される可能性が高いとアナリストは言う。新たなタイプのB2BサービスやB2B2Cサービスを提供する事業者は「5G SA」(Standalone)を推進し、それを機能させるためにクラウドパートナーシップを利用する。その他のモバイル事業者は「5G NSA」(Non Standalone)と一般消費者向けサービスに結び付くビジネスを維持すると思われる。
鳴り物入りで登場したメタバースは5Gのキラーアプリケーションにはならないが、ARサービスとVRサービスを大衆市場に持ち込むだろう。メタバースの盛り上がりは2022年も続き、社会、ゲーム、エンターテインメント、コマースのさまざまなビジョンが注目を集める可能性がある。
通信事業者にとっての大きな問題はARとモビリティーがどの程度主役になるかであり、Meta Platforms(旧Facebook)が提示するVRを重視するビジョンではないとアナリストは考えている。Metaのビジョンが推進役の役割を果たすと考える事業者もある。だが、ゲーム分野に潜在能力のあるパートナーとのビジネスチャンスなどに限定する必要があるだろう。
2022年の5Gの接続数は頭打ちになるだろう。チップセット不足がそれに拍車を掛ける。Analysys Masonによると通信事業者は引き続き5Gの受信域を広げ、より多くのネットワークを立ち上げる。だが加入者数は一般消費者が5Gスマートフォンを購入するペースに大きく左右される。2021年後半と2022前半に5Gスマートフォンの出荷数が減少すれば、2022年に使われる5Gスマートフォンは以前の予測よりも1億500万台減少すると予想される。
2022年もハイブリッドな働き方が続くのに伴い、固定ブロードバンド事業者が家庭用Wi-Fi接続を土台に構築するコネクテッドホームサービスを立ち上げるとAnalysys Masonはみている。通信事業者のスマートホームオートメーションサービスとスマートスピーカーサービスは大手テクノロジー企業との競争に直面して苦戦しているとアナリストは指摘する。通信事業者にとってはコネクテッドホームが有望な分野になる。
Comcastなど、「アプリストアとしての顧客構内設備(CPE:Customer Premises Equipment)」アプローチの先駆けとなった企業は、この分野が通信事業者にとってビジネスチャンスであることを示している。通信事業者は、加入者数増加とARPU(訳注:1人当たりの平均売り上げ)向上を狙い、コネクテッドホームサイバーセキュリティやWi-Fiモーション検知などの付加価値サービスを立ち上げるとアナリストは予測する。
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