実現するシナリオとは
5GとWi-Fi 6のコンバージェンスがもたらす可能性
Wireless Broadband Allianceが発表した論文によると、5GとWi-Fi 6のコンバージェンスにより多くのメリットが生じるという。どのようなシナリオが考えられるのか。
Wireless Broadband Alliance(WBA)の論文によると、企業や通信業者は5GとWi-Fiのシームレスな統合と複数の5G技術のコンバージェンスから多くの利益を得ることができるという。インダストリー4.0、拡張現実や仮想現実(AR/VR)、コネクテッドシティー、エッジコンピューティングなどのサービス、アプリケーション、エクスペリエンスを実現するには5Gのコンバージェンスが重要になる。
この論文は、携帯電話会社やWi-Fiプロバイダー、Broadcom、Cisco Systems、Intel、Orangeなどの電気通信機器メーカーとWBAの5Gワーキンググループの見解を基に作成された。
これはWBAとNGMN Alliance(Next Generation Mobile Networks Alliance)のこれまでの作業を拡張するものだ。Wi-Fi 6と5Gのコンバージェンスのメリットとユースケースを明確にし、現在の標準の内訳と通信業者にとってのビジネスチャンスを提供する。
WBAによると、このようなコンバージェンスによって通信業者やアクセスプロバイダーはよりシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供できる。ネットワークの可視性と全体的な制御をより確保可能になり、デプロイメントのシナリオが増える可能性があるという。
論文は、固有の機能強化と提案するアクションを次の5つに分類している。
- 5GとWi-Fiのコンバージェンスアーキテクチャ
- ATSSS(後述)向けのマルチアクセス機能
- エンド・ツー・エンドのQoS
- 5GとWi-Fiにまたがるポリシーの相互作用と機能強化
- Wi-Fi限定デバイスのサポート
コンバージェンスアーキテクチャの機能強化として可能性があるのは、信頼性の高いワイヤレスLAN向けのWi-Fiと5Gゲートウェイ機能の統合などだ。論文では、3GPP(3rd Generation Partnership Project)が定義するATSSS(Access Traffic Steering, Switching and Splitting)、マルチアクセス機能、既存ソリューション間の相互作用の要件が示されている。エンド・ツー・エンドのQoS(Quality of Service)の実現に向けて、論文ではワイヤレスLANにおける5GフローのQoSの差別化を提供することの重要性が強調され、5G QoSからWi-Fi QoSへのマッピングに関連する問題点を分析している。
固有のユースケースの中でもインダストリー4.0の応用事例については、5G NR(New Radio)とWi-Fiの両方が使えることにより工場での接続とトラフィックステアリングが「劇的に」改善され、AIの有用性が高まるとWBAは考えている。
5G NRとWi-Fiはスマートシティー環境での相互運用が可能になり、中断のない接続が生み出される。これによってデータを大量に利用するエッジアプリケーションへのトラフィック管理がより容易になる。5Gのサービスとアプリケーションの可用性と到達範囲よりも多くの場所にある多くの機器に広がり、Wi-Fiしかない端末のサポートも可能になる。5GとWi-Fiが利用できるようになることで、住宅アプリケーションにおけるトラフィックの混在が実現して接続性が向上する。
WBAのティアゴ・ロドリゲス氏(CEO)は、Wi-Fi 6やWi-Fi 6E、5Gのコンバージェンスはエンドユーザー、携帯電話会社、Wi-Fi業者全てにとってウィン-ウィンのシナリオになるとする。「5G、Wi-Fi 6/6Eネットワークはインダストリー4.0、住宅接続、コネクテッドスマートシティーなどにほぼ無限の可能性をもたらす。だが可能性を真に活用するにはコンバージェンスが重要になる」
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