改ざん防止に主眼を置いたデータベースがOSSで登場した。オンラインデモやDocker、Kubernetesインストールもサポートしており、取りあえず試してみることができる。百聞は一見にしかずだ。
改ざん防止データベースの「immudb」は恐らくimmutable database(変更できないデータベース)を意味している。immudbはゼロトラストモデルに基づいており、履歴は保持されるが変更は許可されない。immudbのデータは改ざん防止を確実化するために、全てのトランザクションで暗号化検証が行われる。
(原文執筆時点の)最新版である「immudb 1.2」でビジネスアプリケーション用のトランザクションを完全サポートし、企業のトランザクションデータベースとして機能するようになった。さらにデータの有効期限が設けられた。これは「忘れられる権利」の要件など、GDPR(一般データ保護規則)に準拠するものだ。
高いスケーラビリティ、1日当たり最大数十億件のトランザクション、高可用性を必要とする要求が厳しいアプリケーション用にクラスタ構成でデプロイできる。「Amazon S3」のサポートにより、ストレージ領域を使い果たすこともない。
「immudbがACID(訳注)トランザクションに完全に準拠したため、immudbと従来型データベースを並列運用する必要はない」と話すのはジェロニモ・イラザバル氏(immudbの共同作成者でCodenotaryのリードアーキテクト)だ。
訳注:トランザクションシステムに要求される4つの性質、Atomicity(不可分性)、Consistency(一貫性)、Isolation(独立性)、Durability(永続性)を指す。
Codenotaryは、immudbプロジェクトの主要貢献企業だ。
immudbはデータの完全な整合性を提供するだけでなく、SQLデータベースやキー/バリュー型データベースと互換性があるためアプリケーションを変更せずにimmudbに移行できる。
「一方ではデータがロックダウンされ、他方では変更をロールバックでき、データに有効期限があるというのは矛盾している。immudbは特許取得済みの技術によってこの偉業を達成した。加えて無限に拡張できる」(イラザバル氏)
immudbはオープンソースソフトウェアであり、誰でも無償で使用でき、最大限のセキュリティを必要とするワークロードの機密データを保護できる。immudbのダウンロード数は1200万件を超えている。
immudbはGitHubでダウンロード可能だ。
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