他データベースへの移行は容易ではない。AWSはSQL Server用アプリをMySQLおよびPostgreSQL互換データベースの「Amazon Aurora」でそのまま動かす機能でこれを解決した。
「Microsoft SQL Server」から「MySQL」や「PostgreSQL」に移行するには、アプリケーションロジックを変更しなければならない。アプリケーションロジックの変更には手作業のコーディングが必要だ。これには時間がかかり、独自仕様のデータベースコマンドに縛り付けられることが多い。
「Amazon Web Services」(AWS)でオープンソースデータベースを運用するメリットを感じているユーザーは、SQL Server用アプリケーションをMySQLおよびPostgreSQL互換のフルマネージドリレーショナルデータベースエンジン「Amazon Aurora」に簡単に移行する方法を求めている。
Auroraは、「ワークロードによっては」アプリケーションを変更しなくてもMySQLで最大5倍、PostgreSQLで最大3倍のスループットを実現するとAWSは主張する。
「商用グレードのデータベースは高性能だが、高価でロックインされる可能性が高い。ライセンス条項が厳しく、予告なく変更されることがある。多くのユーザーはオープンソースが提供する価格設定と柔軟な商用グレードの性能を求めている。そのためMySQLやPostgreSQLのようなオープンソースデータベースに移行している」
AWSのラジュ・グラバニ氏(データベースと分析担当バイスプレジデント)は言う。「10万を超えるユーザーがデータベースワークロードの運用環境としてAuroraを選択している。Auroraは最高グレードの商用データベースの性能と可用性を10分の1のコストで提供する」
とはいえ、オープンソースデータベースで高いパフォーマンスを実現するには時間と労力を要する。AWSは「Amazon Aurora PostgreSQL互換エディション」の「Babelfish for Aurora PostgreSQL」を一般提供すると発表した。Babelfish for Aurora PostgreSQLはSQL Server用アプリケーションのコードを「ほとんどまたは全く」変更せずにAuroraで実行できるようにする。Babelfish for Aurora PostgreSQLによってSQL Serverを排除すれば、コストの削減と運用の簡素化が実現する。
オープンソースの「Babelfish for PostgreSQL」も発表された。Babelfish for PostgreSQLにより、SQL Server言語機能がPostgreSQLで使えるようになる。
Babelfish for PostgreSQLのソースコード(Apache License 2.0とPostgreSQL Licenseのデュアルライセンス)はGitHubで入手でき、目的を問わず誰でも拡張または使用できる。
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