クラウドサービスの利用が広がる一方、そのコストに悩む企業が目立っている。クラウドコストを抑制するのに有効なのが、オーバープロビジョニングの状況を確認し、削減することだ。具体的な方法とは。
クラウドサービスの利用料金が想定より高くなってしまう原因の一つに、「オーバープロビジョニング」がある。設備やサービスを利用可能な状態にすることをプロビジョニングと呼ぶ。オーバープロビジョニングは設備やサービスの一定領域を余剰領域として確保することだ。
オーバープロビジョニングがあればあるほど、バックグラウンドに存在しながら使わないリソースが増え、クラウドサービスの利用料金が膨れ上がる。オーバープロビジョニングを防止し、クラウドサービスのコストを抑える方法を解説する。
コスト最適化の鍵となるのは、クラウドサービスの利用状況の追跡だ。オーバープロビジョニングを予防するためにはまず、リソース監視用のツールを導入する必要がある。
CPU、メモリ、ストレージ容量、ネットワーク帯域幅(通信路容量)といったリソースの使用状況を監視するツールを導入し、定期的にモニタリングすることが欠かせない。ツールによっては、使用状況に応じてオートスケーリング(自動的にリソースを増減すること)してくれる。
各インスタンス(仮想サーバ)のリソース使用状況を可視化し、需要の予測を立ててくれるクラウドコスト管理ツールもある。こうしたツールを活用しながら、各部門に必要な量のリソースプロビジョニングを徹底することが重要だ。
ツールを導入してリソース使用状況を把握できる状態になったら、会計モデルとしてチャージバック(コスト配賦)モデルを検討するべきだ。一般的に企業のIT予算は情報システム部門が管理しているが、チャージバックモデルはITシステムを導入するための費用をあらかじめ事業部門に振り分ける方法だ。チャージバックモデルは、クラウドサービスのコストを事業部門やプロジェクトを認識してもらい、企業全体で無駄使いを抑制する一助となる。
中編は、プロビジョニングしたリソースを元の状態に戻す「デプロビジョニング」について解説する。
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