Windowsがバージョンアップするたびに繰り返されてきた、「他OSへの移行」の検討。Windows 11に「ノー」を突き付けたとして、では何を使うか。MacやデスクトップLinuxではダメだ。
「Windows 11」とDaaSの「Windows 365」のリリースを受けて、2つの考えが頭に残った。
一つは、前向きで実用的な考えだ。一部のITチームにとってWindows 11は素早く成功するチャンスになるかもしれない。Windowsの基盤はほとんど同じなので、「より素晴らしい」ユーザーエクスペリエンスを比較的混乱なく展開できる可能性がある。
もう一つは完全に否定的というわけではないが、Microsoftがユーザーを支援することにどれほど革新的な熱意を持っているのかを疑問視する考えだ。メディア制作、ソフトウェア開発のためのPCを必要とするユーザーに対する姿勢ではない。より広範なビジネスユーザーに対する姿勢だ。
Windows 11にデスクトップの複雑性を変革する役割を期待していたなら、失望するのは当然だ。
VDIやDaaSによってデスクトップスタックをネットワークの向こう側に移動することは、問題の正しい答えにはならない。共有イメージや仮想化によって、ある程度の簡素化は実現する。だが、リソースを消費し、セキュリティを確保し、運用およびサポートのための管理作業を必要とする本質的に複雑なスタックは残っている。
Appleシリコンの最近の飛躍を考えると、Windows 11に対するMicrosoftの熱意不足は「Mac」への関心を刺激する可能性があると主張するコメンテーターもいる。デスクトップLinuxがWindowsと真正面から対峙(たいじ)するときが来たという意見もある。
問題は、「macOS」もデスクトップLinuxディストリビューションもWindowsと同じ「ファットクライアント」だということだ。Windows 11の代わりに両者を検討するのには十分な理由があるかもしれないが、デスクトップ管理の複雑さを解決する助けにはならない。どれをデプロイしても、Windows環境と大差はない。
こうした状況を背景に、「Chromebook」が検討されるケースが間違いなく高まっている。Chromebookは軽量でシンプルな代替手段を提供する。「Chrome OS」は10年の時を経て成熟し、「Chrome Enterprise」の一環として提供される管理ツールによって支えられている。
Windowsをデスクトップ戦略の中心にして取り組んでいるITチームは多い。戦略的な理由もあれば、単に「better the Devil you know(知っている悪魔の方がマシ)」という理由、切り替えに伴うコストや中断を避けたいという理由もあるだろう。だが、ここまで読めば指摘した問題や不満の少なくとも幾つかは思い当たるだろう。問題は次に何をすべきかだ。
Chromebookを模索するとしたら、一部のユーザーに限定した導入だとしても検討事項はたくさんある。いずれ、実際にChromebookに切り替えたユーザーの意見やCitrix Systems、HPEなどの情報を基に実用性を調べてみたい。エンドユーザーコンピューティングの新しいモデルの観点から考える重要性と、これがITチームとユーザーの両者にとっていかに変革を伴うものかについても考えてみようと思う。
ChromebookとChrome Enterpriseが誰にでも適しているとは限らない。こうした情報を確認して、自分で決めてほしい。
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