検索エンジンの結果に有害なWebサイトが表示されやすくする「SEOポイズニング」は、新しい攻撃手法ではない。ただしSophosの調べによると、SEOポイズニング攻撃に“変化”が起きている可能性がある。それは何か。
セキュリティベンダーSophosの脅威分析機関SophosLabsが2022年2月に公開した公式ブログのエントリ(投稿)で、「SEOポイズニング」によって遠隔操作型マルウェア「SolarMarker」を拡散させている攻撃者の存在が明らかになった。SEOポイズニングは、一般的なSEO(検索エンジン最適化)のテクニックを悪用した攻撃手法だ。検索エンジンの検索結果上位に有害なWebサイトが表示されやすくして、エンドユーザーをこうしたWebサイトに誘導する。
ブログエントリによると今回の攻撃では、攻撃者はSEOポイズニングにより、Googleの同名検索エンジンが検索結果上位に、SolarMarker配布サイトへの有害なリンクを表示するようにした。そのリンクをクリックしたエンドユーザーを、アプリケーションインストーラー「Windows Installer」のダウンロードサイトを模した偽サイトに誘導。そこからエンドユーザーのマシンで、コマンド実行ツール「PowerShell」用のスクリプトを実行させるという手順を踏んだ。
攻撃者は今回の攻撃に、
を利用したとみられる。
SophosLabsのシニア脅威リサーチャーを務めるショーン・ギャラガー氏は、このブログエントリを共同執筆した。ギャラガー氏によると、今回の攻撃が特殊なのは、個別の攻撃者ではなく「Downloader as a Service」(サービスとしてのダウンローダー)によって、複数のSEOポイズニング攻撃が実行されていることだ。
「SEOポイズニングは以前からある攻撃手法だが、標的型攻撃の手法としてはさほど効果がなかったため、最近はあまり見られなくなっていた」とギャラガー氏は説明する。SophosLabsによるとSEOポイズニングは、情報窃取マルウェアや暗号資産(仮想通貨)詐欺マルウェアを用いた攻撃手法として、わずかだが浸透している。
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