パンデミックの影響でテレワークが続く中、従業員が自宅に導入する無線LANはテレワークの必需品となった。一方で無線LANが、テレワークの「イライラ」の原因になっているという。それはなぜなのか。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株「オミクロン株」の流行によって、企業はオフィス出勤再開の延期を余儀なくされている。パンデミック(世界的大流行)に伴ってテレワークが普及した今、自宅で働く従業員を支えているのは、無線LANだ。
調査会社Gallupが2021年5月〜6月、米国の労働者9000人以上を対象に実施した調査では、フルタイム勤務の労働者の45%が「テレワークをしている」と答えた。業界専門家はパンデミック収束後も、オフィス出勤とテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」が定着するとみている。ハイブリッドワークには、従業員が自宅で働く際の安定したネットワーク接続が欠かせない。そのため無線LANのニーズは、より一層高まる見込みだ。
パンデミック前は自宅でのPC作業といえば、簡単なデータ入力やWebサイトの閲覧が主流だった。そのため高速なネットワークの必要も特になかった。テレワークが広がった今、従業員が自宅からWeb会議に参加したり、クラウドサービスにあるデータにアクセスしたりするようになっている。
業界団体Wi-Fi Allianceマーケティング担当シニアバイスプレジデントのケビン・ロビンソン氏は「自宅でもオフィスと同様の高速通信ができるネットワークの需要が高まっている」と述べる。調査会社ABI Researchによると、自宅ネットワークの速度や安定性が不十分なことに、テレワーカーは不満を抱いている。
中編は、テレワークに適した無線LANの要件を整理する。
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