「ROBO」で動く仮想マシン(VM)をリモートで管理する方法テレワーク時代に適したVM管理の実践術【前編】

テレワークを推進する企業のIT管理者が、「ROBO」で動くVMをリモートで管理できるようにするには、どうすればよいのか。役立つ製品分野を紹介する。

2022年03月08日 08時15分 公開
[Paul KorzeniowskiTechTarget]

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が問題になる前なら、サーバで稼働する仮想マシン(VM)にトラブルが発生したらIT担当者がオフィスやデータセンターに出向き、必要に応じて現場で解決に当たることが容易にできた。施設が閉鎖され、サーバの設置場所に出向くことができなくなった場合は、VMをリモートで管理できるようにするための手段が必要になる。

ROBOで動くVMをリモートで管理する“あの手段”

 VMwareやNutanix、Dellなどの仮想化製品ベンダーは、通常のオフィス以外の場所である「ROBO」(リモートオフィスとブランチオフィス)にあるVMを管理可能なツールを提供する。これらのツールは、VMイメージの自動作成やVMへのセキュリティポリシーの適用、ソフトウェアの自動更新などの機能を備える。

 ROBO向けのVM管理ツールを選ぶときは、必要なVMの数を検討し、セキュリティの懸念事項や暗号化、ネットワーク要件を整理する必要がある。お互いに地理的に離れた場所にある各VMの作成や管理に、自動化機能を利用するかどうかも検討しなければならない。

「SD-WAN」も要検討

 オフィスで従業員が働いているときは、データはオフィス内のPCからサーバにLAN経由で送受信されていた。ROBOでは、IT担当者はオフィスのLANとは異なるネットワークを使うことになる。

 従業員がROBOで働くようになると、WANのデータ通信量が増加しやすくなる。そのため企業は従業員のネットワーク接続を監視して、必要な回線容量(帯域幅)を確保したり、セキュリティポリシーに違反がないかどうかを確認したりしなければならない。ネットワークの利用料金を一定に保つことも必要だ。

 ネットワークの可視性を高め、帯域幅の拡張を実現する有力な選択肢が「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)だ。SD-WANは、ROBOへの2つの異なるWAN回線を組み合わせるハイブリッドWANの実現を容易にする。SD-WANの導入により、例えばIT担当者はIP-VPNや広域イーサネットといった、複数のWAN回線でトラフィック(データの流量や経路)を管理できるようになる。

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