SEOを悪用して有害サイトへ誘導する「SEOポイズニング」を使った攻撃を食い止めるために、Googleなどの検索エンジンベンダーにできることとは何なのか。セキュリティの専門家に聞く。
「SEOポイズニング」は、一般的なSEO(検索エンジン最適化)のテクニックを悪用した攻撃手法だ。セキュリティベンダーSophosの脅威分析機関SophosLabsは2022年2月、SEOポイズニングを使って遠隔操作型マルウェア「SolarMarker」を配布する攻撃の存在を明らかにした。今回のSEOポイズニング攻撃によるSolarMarkerの拡散をSophosLabsが初めて観測したのは2021年10月だった。その後攻撃キャンペーン(一連の攻撃活動)は終わったとみられるが、SolarMarkerはまだ消滅していないという。
SophosLabsによると、ブログエントリ公開時点で展開中のSolarMarker拡散キャンペーンはない。攻撃者がこのキャンペーンに使用した最後のダウンロードWebサイトは閉鎖されている。だがSolarMarkerは有効なままだ。SolarMarkerの検出数は2021年11月以降減少しているものの、消滅したわけではないという。「新しい攻撃インフラを使った、新しい攻撃キャンペーンが始まるのは時間の問題だ」とSophosLabsは注意喚起する。
SEOポイズニング攻撃によるマルウェア配布を防ぐために、Googleなどの検索エンジンベンダーが実施できる対策はないのだろうか。SophosLabsのシニア脅威リサーチャーを務めるショーン・ギャラガー氏は「ある」と言う。
検索エンジンベンダーは検索アルゴリズムを調整して、有害なWebサイトを見つけ出すことができるとギャラガー氏は説明する。具体的な方法としては、検索キーワードと関連性の低いWebサイトを探し出して、検索結果におけるそのWebサイトの順位を下げたり、「スパムの疑いがあるWebサイト」としてフラグを付けたりすることができる。
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