「VMware Cloud on AWSで“クラウド破産”」の傾向と対策【後編】
「脱クラウド」で“クラウドの呪縛”から解放される方法
熟慮の末にクラウドサービスへ移行したにもかかわらず、想定外の問題に直面して「脱クラウド」に踏み切らざるを得なくなった企業は、どうすればよいのか。スムーズなオンプレミス回帰のポイントを説明する。
VMware製品で構築した仮想マシン(VM)をクラウドサービスで実行するサービス(以下、VMware製品実行サービス)を利用すれば、VMware製品のユーザー企業は比較的スムーズにクラウドサービスへの移行を進めることができる。ただし前編「VMwareユーザーが『脱クラウド』せざるを得なくなる理由」の通り、クラウドサービスへの移行で想定外のコスト増加に直面し、クラウドサービスからオンプレミスインフラに戻る「脱クラウド」を決断する企業がある。
ユーザー企業はクラウドサービスへの移行を選ぶ前に、クラウドサービスがもたらすメリットと運用コストを検討すべきだ。クラウドサービスを利用しつつ、特定のアプリケーションやデータをオンプレミスインフラに残すハイブリッドクラウドは、クラウドサービス移行の簡略化とコストの節約に役立つことがある。アプリケーションのリソース消費量を分析するプロファイリングツールは、特定のアプリケーションをクラウドサービスとオンプレミスインフラのどちらで運用すべきかを判断するのに役立つ。
熟慮の末にクラウドサービスへの移行を果たしたにもかかわらず、脱クラウドを進めざるを得なくなった企業は、どうすればよいのか。
“脱クラウド”の正しい進め方
脱クラウドを決断して、アプリケーションやデータをオンプレミスインフラに戻そうとしたときに、古いハードウェアを破棄してしまっている場合がある。ユーザー企業がクラウドサービス移行を決断する主な理由が、オンプレミスインフラのハードウェアが寿命を迎えたことだからだ。このような場合は、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)を用意すれば、オンプレミスインフラに膨大な量のアプリケーションとデータを戻せるようになる。
HCIはストレージ仮想化技術でサーバのディスクをストレージとして利用できるため、ストレージインフラの削減につながる。HCIの導入には概して高額なコストを伴うが、必要な設置面積の少なさやスケールアウトのしやすさという特性がある。
全てのアプリケーションを脱クラウドの対象にする必要はない。オンプレミスインフラに戻した方がよいアプリケーションもあれば、クラウドサービスで動かし続けた方がよいアプリケーションもある。例えばデータの保管にかかるコストの観点から、大規模なファイルサーバをオンプレミスインフラに戻すといった判断を、あらゆるアプリケーションに対してすることが必要だ。
Amazon Web Services(AWS)のクラウドサービス群を利用するアプリケーションは、同じくAWSが提供するVMware製品実行サービス「VMware Cloud on AWS」で運用するのが適している。データのやりとりが発生する場所をAWS内に絞り込むことで、AWS外へのデータ転送に伴う追加料金や遅延の発生を避けやすくなる。他のクラウドベンダーのVMware製品実行サービスも同様だ。一方でVMware製品実行サービスは、オンプレミスのVMware製品の完全な代替にはならない。オンプレミスインフラだけではできないことを実現するためのインフラとして捉えるとよい。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIに何を聞いても「汎用的な答え」しか返ってこないのはなぜか? -
製品資料
[サイボウズ株式会社] なぜAIは組織で定着しないのか? 全社活用を阻む「3つの壁」の突破法 -
製品資料
[株式会社スタディスト] 「不適合品率」改善はどこから始める? すぐにできて効果が大きいポイントとは -
製品資料
[株式会社スタディスト] 食品ロスを利益に変える「現場標準化」のすすめ -
技術文書・技術解説
[株式会社スタディスト] チョコ停・ドカ停を防ぐ「事前対策」の進め方
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
2
SAPの負荷増に苦しむZeissが「リアルタイム分析」「安定運用」を両立させた道
-
3
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
4
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
5
8割がアナログに逆戻りする“やっぱりな理由” DXを阻む2つの落とし穴
-
6
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
7
なぜMicrosoftは「Rust」を標準言語に? AIで進むC/C++書き換えの課題
-
8
「データのバックアップ」に関するアンケート
-
9
「セキュリティ運用と侵入後の初動防御」に関するアンケート
-
10
【専門家に聞く】表計算の限界を突破するロイヤリティ管理のスマートな手法とは?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
2
顧客対応自動化の要点:RAGとデータ連携で“業務で使える生成AI”にする方法
-
3
侵入から横展開まで27秒の脅威にどう立ち向かう? 防御のカギがEDRの理由
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身
-
6
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
7
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
8
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
9
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
10
パスワードレスへの移行で失敗しないためには? 導入・運用上の注意点を解説
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー