「セキュリティ意識向上研修」の効果を高める方法【第5回】
ヒューマンファイアウォールとは? 従業員のセキュリティ意識が育つ思考法
研修を実施しているのにもかかわらず、従業員にセキュリティ意識が芽生えない――。そう考える企業ができる、セキュリティ意識を高めるための幾つかの手法を紹介する。
第4回「“危ない社員”をあぶり出す『人的リスク定量化モデル』とは? 導入するには」は、従業員のセキュリティ意識の向上を促し、セキュリティリスクを低減するために役立つプロセス「人的リスク定量化モデル」を紹介した。続く本稿は、セキュリティ対策の成功の鍵を握る、従業員の意識改革に必要な取り組みをさらに紹介する。
ヒューマンファイアウォールとは? 「セキュリティ意識」を高める手法
併せて読みたいお薦め記事
連載「『セキュリティ意識向上研修』の効果を高める方法」
- 第1回「『情報漏えいを引き起こす内部関係者』の半数以上は“あんな人”」
- 第2回「毎年やっても意味がない? 『セキュリティ研修』を無駄にする“あの慣習”」
- 第3回「“コンプラのためだけのセキュリティ研修”は価値なし Gartner推奨の方法は?」
- 第4回「“危ない社員”をあぶり出す『人的リスク定量化モデル』とは? 導入するには」
「セキュリティ」関連の注目トピック
従業員向けにさまざまなセキュリティ意識向上研修を実施しても、「自身の振る舞いが、企業のセキュリティにどのような影響を及ぼすのか」を従業員が自覚していない場合は、研修の効果が薄れる。このギャップを埋めるのに役立つのが、従業員一人一人をセキュリティ侵害を阻む壁として捉える考え方「ヒューマンファイアウォール」だ。ヒューマンファイアウォールの研修プログラムには、自身の役割や日常業務に沿ったセキュリティ対策を従業員に教える特別な演習が含まれる。ヒューマンファイアウォールの研修では、指標やインセンティブを使って従業員に責任を持ってもらう必要がある。
「セキュリティカルチャーマッピング」という手法も、セキュリティ意識向上研修をより魅力的なものにするために役立つと調査会社Forrester Researchのプリンシパルアナリストであるジナン・バッジ氏は話す。この手法は全従業員に、以下のような質問を含む広範なアンケートを送付する。
- セキュリティに対して、どう感じているか
- セキュリティチームに関与したいと思う気持ちは、どの程度か
- 特定のセキュリティポリシーを採用したいと思う気持ちは、どの程度か
セキュリティチームは、このアンケート結果を基に、特定のチーム、人、部署に対象を絞った研修プログラムを作ることができる。ゲームの要素を取り入れる「ゲーミフィケーション」やアニメメーションを使ったセキュリティ意識向上動画の作成は、研修への従業員の関心をさらに高めることができるとバッジ氏は考える。調査会社Nemertes Researchの最高経営責任者(CEO)兼創設者であるジョナ・ティル・ジョンソン氏は、実際に発生したサイバー攻撃のシナリオを利用した研修が増えることを期待している。
年1回のセキュリティ意識向上研修は効果的ではないが、見限ってはいけない。「企業は、従業員の良い行動を強化するために、より頻度が高く、時間が短い、複数のチャネルによる取り組みを設計する必要がある」と、調査会社Gartnerのディレクターアナリスト、ウィリアム・キャンドリック氏は述べる。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
2
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
3
サーバ約70台をAWSへ ヤナセが移行前にやった「通信要件の可視化」
-
4
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
5
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
6
多品種小ロットの「手書き・配合ミス」を克服 キャニオンスパイスの食品工場DX
-
7
AIインフラの理想形? 「5層のケーキ」を垂直統合するための近道とは
-
8
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
9
「AI活用」を掲げた年金刷新が炎上 英政府が大手ITアウトソースを切り捨て「内製回帰」した理由
-
10
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー