そもそも「DX」って何? 専門家による“一言定義”と成功のこつDXの成否を分ける5つのポイント【第1回】

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する動きは広がっているものの、それぞれの企業が進めるDXの実態はさまざまだ。そもそもDXとは何なのか。定義を専門家に聞いた。

2022年07月14日 10時00分 公開
[Jim O'DonnellTechTarget]

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 エリック・キンバーリング氏は、コンサルティング会社Third Stage Consulting Groupの創設者兼最高経営責任者(CEO)だ。キンバーリング氏はデジタルトランスフォーメーション(DX)の戦略立案と実践について複数の企業と意見を交換し、DXの成功と失敗を分ける要素についての知見を収集している。

 キンバーリング氏は2022年2月、Third Stage Consulting Groupが主催するバーチャルカンファレンス「Digital Stratosphere 2022」の講演に登壇し、「DXの成否を分けるポイント」に関する自身の考えを述べた。本連載は、その詳細を紹介する。

そもそも「DX」とは何か

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 DXという言葉の意味は、まだ曖昧だ。キンバーリング氏は「技術、ビジネスプロセス、組織の変革を組み合わせて、企業に変化を促すことがDXだ」と広く定義している。DXの追求には、さまざまなアプローチがある。具体例は以下の通りだ。

  • 企業の競争力を強化するための戦略構想を練る
  • 旧式のシステムをアップグレードして技術的負債を解消する
  • 新しい技術に研究開発投資を実施する
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)のような社会情勢の変化によって、既存システムに限界があることを認識する

 幾つもの企業と対話をする中でキンバーリング氏が気付いたのは、DXの成功には強いリーダーシップと健全な戦略が不可欠だということだ。プロジェクトの定義が不十分だったり、“輝かしい新技術”に目がくらんでしまったりすると、プロジェクトを危険にさらすことも分かった。


 第2回はDXにおける3つの段階と、最終段階に至るまでに陥りがちな「わな」について解説する。

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