社員を第一に考えない会社が「DX」を語るな――シュナイダーが考えるDXの進め方事例で学ぶスキル向上と再教育の意義【後編】

DX推進は競合他社との戦いに必要だ――こうした考え方は間違いではないが、より重要な視点を見落としてはいないか。重電メーカーSchneider Electricが重視するのが「従業員ファースト」の視点だ。

2021年01月07日 05時00分 公開
[Jim O'DonnellTechTarget]

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 重電メーカーSchneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は、さまざまな業種のIoT(モノのインターネット)の取り組みを支援する製品/サービス群「EcoStruxure」を提供している。同社のEcoStruxure担当ディレクターであるルーク・ダーカン氏はEcoStruxureについて、産業施設のプロセス自動化と遠隔操作を可能にする産業用IoTプラットフォームだと説明する。

 Schneider Electricは2019年、工場の効率化と運営コスト削減を実証するスマートファクトリーを米国ケンタッキー州レキシントンに開設した。これはEcoStruxureを使用して古い工場を最新化した施設だ。前編「DXの成功には『従業員のスキル向上と再教育』が不可欠な理由」、中編「老舗工具メーカーが『DX』推進に人材教育が必要だと考える訳」に続く本稿は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進とともに顕在化する従業員のスキル格差の解消に向けた「スキル向上」(Upskilling)と「再教育」(Reskilling)に取り組む、同社の事例を紹介する。

従業員を第一に考える

 ダーカン氏によると、製造業界は工場の生産能力とレジリエンス(障害発生時の回復力)を高めるとともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行でテレワークが必要となっている従業員の数も最小限にしようとしている。「工場の運営に必要な操作や人員を減らすと同時に、レジリエンスを高めることも重要だ」と同氏は指摘。「ブレーカーが落ちたり、変圧器が飛んだりすれば、2カ月分の生産能力を失うことになる。そのような損失を出すわけにはいかない」と強調する。

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