データプライバシー管理に「AI」を生かす【第2回】
データプライバシー管理に「AI」を使うなら無視できない課題とは?
データプライバシー管理にAI技術を利用すれば、業務の労力削減が期待できる。ただし過度な期待は禁物だとの声もある。どういうことなのか。
第1回「データプライバシー管理を『AI』に任せたくなる“これだけの理由”」は、データへのアクセス権限を誰が所有するか、誰がそのアクセス権限を認定するかといった「データプライバシー」の管理にAI(人工知能)技術を用いるメリットを紹介した。第2回は、データプライバシー管理においてAI技術が直面し得る課題と、具体的な用途を解説する。
データプライバシー管理における「AI」の課題と限界
主な課題は、AI技術を使ったデータプライバシー管理ツールをトレーニングして、業界や自社のビジネスモデル、その分野の規制について理解させることにある。
欧州連合(EU)の「GDPR」(一般データ保護規則)、米国の「CCPA}(カリフォルニア州消費者保護法)といったデータプライバシー規制に応じた処理が可能なAIモデルは存在するだろう。だが同じAIモデルを医療業界に持ち込んで、そのままHIPAA(米国医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に適用できるだろうか。
「過度な期待は問題だ」と、データ保護製品を取り扱うDaseraの共同創業者兼CEO、アニ・チャウドハリ氏は言う。AIモデルのチューニングには時間と十分なデータが必要であり、データプライバシー管理製品が搭載するAIモデルでもそれは同様だ。
システムインテグレーターEntrust Solutionsの脆弱(ぜいじゃく)性管理リーダーであるダレン・デスラッテ氏は別の懸念を指摘する。それはセンシティブなデータに関するAIモデルの設定が甘ければ、攻撃者の新たな侵入口を作り出す恐れがあることだ。攻撃者はAIモデルのアルゴリズムや、アルゴリズムがデータサーバと通信する手段から、データを詐取する方法を見いだす危険性がある。
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