「Web 3.0」はさまざまな人にとって経済活動に参加するためのハードルを下げる一方、攻撃者にも狙われやすい。どのようなリスクがあるのか。
従来型インターネットにはない、さまざまなリスクが潜む次世代インターネット「Web 3.0」(「Web3」とも)。企業はWeb 3.0を安全に利用するために、特有のリスクを知って対策を講じることが重要だ。後編となる本稿は、Web 3.0の経済的側面におけるリスクを考える。
〇連載:「Web 3.0」の「3大リスク」
大半のWeb 3.0向けアプリケーションはミクロ経済や通貨、その他の金融資産と密に関係している。こうした経済的側面からも、Web 3.0のリスクを考慮しなければならない。
サイバー攻撃を例に考えてみよう。Web 3.0は“経済色”が強いため、攻撃の目的が従来型インターネットと違う傾向がある。従来型インターネットでは、攻撃者に金銭的な利益が出ないような攻撃も実施されているが、Web 3.0はブロックチェーンに眠る“価値”を狙う金銭目的の攻撃が際立っている。
企業は、ユーザー視点や法的リスク、環境リスク、社会的リスクを念頭に置き、Web 3.0の活用方法を検討する必要がある。具体的には下記のような問題が考えられる。
これまでの連載で取り上げたのは、Web 3.0のリスクの一部にすぎない。Web 3.0のこれからの課題は、さまざまな人が社会や経済に参加しやすくなるための取り組みにとどまらず、セキュリティをどう強化するかも重要になっている。
事業の規模を問わず、企業はWeb 3.0を活用する際に、セキュリティを重視しなければならない。Web 3.0のシステム開発では、最初からしっかりしたセキュリティを組み込むのが不可欠だ。攻撃を防ぐための対策はもちろん、攻撃された後に被害を最小限に抑える対策も講じなければならない。
企業を取り巻く市場環境が激変している中、Web 3.0への対応はスピードが命だ。しかし、セキュリティリスクの分析や対策、監査に時間をかけて取り組むことも忘れてはいけない。Web 3.0のさまざまな利点を生かしつつ、Web 3.0ならではのリスクも十分に考えたセキュリティ対策が欠かせない。
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