エンドユーザーやシステムの異常な行動を検出する「UEBA」には、さまざまな用途がある。中心的な用途がセキュリティ対策だ。どのような脅威への対処に役立つのかを見ていこう。
「UEBA」(User and Entity Behavior Analytics)は、エンドユーザーやシステム(エンティティ)の異常な行動を検出するセキュリティ技術だ。複数ソースのデータを分析し、攻撃を発見したり、データ流出の経路を特定したりできる。例えば、あるエンドユーザーが突然、大量のデータをダウンロードしようとしたら、UEBA製品はその行動を「怪しい」と判断する。UEBAはセキュリティやシステム運用管理に限らず、マネジメントやビジネスの観点からも有効だと考えられる。
企業はUEBAをどのように生かすことができるのか。主要な10大用途のうち、まずはセキュリティ対策に関する5個の用途を紹介する。UEBAはログやファイルといったデータを分析し、さまざまな種類の脅威や侵害の証拠を探す。具体的には、次のことができる。
ネットワークのログではシステムが、通常であれば通信しない接続先との通信を試みている証拠が残ることがある。これは、攻撃者が侵入したネットワーク内を動き回る「ラテラルムーブメント」攻撃の出発点である可能性がある。
システムやネットワークのログには、エンドユーザーのアカウントが本来すべきではないことを試みている履歴が残ることがある。この場合、攻撃者が正規のエンドユーザーのアカウントを乗っ取り、そのアカウントを使ってシステムの脆弱(ぜいじゃく)性を見つけ出したり、機密データの流出を狙ったりする可能性がある。
アカウントが通常よりも高いレベルの権限を使用したり、普段はアクセスしないシステムにアクセスしようとしたりする動作が、UEBAによって明らかになることがある。この場合、内部関係者がアカウントを悪用している可能性がある。
第2回は、セキュリティ対策に関するUEBAの5個の用途のうち、残る2個の用途を紹介する。
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