「オブザーバビリティ」ツールは、システム障害の予測と防止はもちろん、実はビジネスに関してもさまざまなヒントを提供してくれる。ただし、そのためには「あること」が必要だ。それは何なのか。
システムからさまざまなデータを出力して監視、分析することによって、「システムで起きていること」を可視化し、問題発生を予測したり対策を講じたりできるようになる。これを「オブザーバビリティ」(可観測性)と呼ぶ。オブザーバビリティツールはシステムの運用管理にとどまらず、ビジネス面にもメリットをもたらす。それは何なのか。オブザーバビリティを高める「8つのポイント」のうち、6つ目から8つ目までを説明する。
企業はオブザーバビリティツールを「システム管理者や開発者向けのもの」と考えてはいけない。システムの現状を把握し、どのようなアクションが必要なのかを検討することは、ビジネス面にも生きる。そのために、IT担当者はシステムの問題に関する情報をビジネス担当者にとって分かりやすい言葉に“翻訳”し、IT部門とビジネス部門がタッグを組めるようにすることが重要だ。
オブザーバビリティの向上によって特定できる問題の大半は、比較的低レベルのものだ。企業は従来、パッチ(修正プログラム)適用やアップデートの実施、リソースの追加の自動化ができるツールを利用してきた。このようなツールをオブザーバビリティの仕組みに組み込めば、オブザーバビリティの関連作業の効率化を図れる。
システムの問題が繰り返し発生する場合、自動修正できないコーディングが原因である可能性がある。オブザーバビリティの仕組みをヘルプデスクやタスク管理ツールと連携させることによって、タスクを適切なIT担当者に割り当てることができる。
企業ネットワークの分散化が進むにつれて、オブザーバビリティは重要性を増す。企業は自社のネットワークからデータを集約して分析できなければ、アプリケーションパフォーマンスやユーザー体験の低下、重大なセキュリティインシデントといった、さまざまな問題に直面する可能性がある。長期的にシステムを安定して稼働させ、複雑化しているビジネスニーズに応えるためには、オブザーバビリティの向上が重要な取り組みになる。
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