コンティンジェント労働者の採用状況を開示すべき理由 “謎人員”の発生を回避「コンティンジェント労働者」を理解する【第4回】

コンティンジェント労働者の雇用には、正社員の雇用とは異なるノウハウが求められる。「自動化」「外部リソースの活用」などのベストプラクティスを紹介する。

2022年11月01日 05時00分 公開
[Eric St-JeanTechTarget]

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 「コンティンジェント労働者」の採用が広がる中で、正社員とは異なる採用プロセスや人材管理方法に戸惑う企業がある。コンティンジェント労働者を雇用する際の6つのベストプラクティスのうち、残り3つを紹介する

4.採用プロセスを社内に開示する

 企業は社内に広く採用のプロセスを共有する必要がある。その際、個人事業主、コンサルタント、フリーランサー、人材派遣会社からの派遣社員といったコンティンジェント労働者と、正社員の違いを明確にすべきだ。重要な分野として、コンティンジェント労働者の応募者追跡プロセスを例に挙げる。企業はコンティンジェント労働者を自社の従業員数にカウントするとは限らない。そのため明確な採用プロセスと応募者追跡プロセスを準備して管理を徹底しないと、“知らないうちに採用された人員”が発生する可能性がある。

5.採用と応募者追跡プロセスを自動化する

 正社員と同じく、コンティンジェント労働者の採用と応募者追跡のプロセスをシステムで自動化することは、企業にとって望ましい。まず企業は、人事システムにこうした機能を追加するかどうかを決める。追加すると決めたならば、収集する情報は何か、何を社内の各部門に伝えればよいのかを判断する。例えば財務部門とIT部門には、コンティンジェント労働者がいつ入社するのかを知らせる必要がある。

6.外部リソースを活用する

 コンティンジェント労働者の管理業務をマネージドサービスプロバイダーに外部委託することで、企業は法令に沿った効率的で有効な人材管理を実現できる場合がある。コンティンジェント労働者管理プロセスの開発に、外部の専門家の手を借りるのも一つの方法だ。


健全なコンティンジェント労働者管理を実施するには

 これまでと異なる就労形態で働こうと考える人たちがいて、正社員が関与する必要がない職種の欠員を補充しようとする企業がある。こうした状況が続く限り、コンティンジェント労働者の採用拡大は続くと考えられる。

 コンティンジェント労働者の採用からオンボーディング、応募者追跡までのプロセス開発、従業員の維持とチームワークの確保、そして企業アイデンティティーの維持やスキル需要の把握のために、コンティンジェント労働者の管理という分野はますます重要になると考えられる。

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