2022年11月、イーロン・マスク氏がTwitter社で大規模なレイオフを始めた。これを受け、元従業員は「適切な通知なしにレイオフされた」と主張して集団訴訟を起こしている。この大規模レイオフの背景をおさらいする。
Twitter社の新たな所有者となったイーロン・マスク氏は、同社の従業員を最大で半数まで削減しようとしている。こうした中で同社の元従業員は2022年11月、「適切な通知なしにレイオフ(一時解雇)された」と主張して集団訴訟を起こした。
約3700人に上る従業員の大規模なレイオフは2022年11月初旬に始まった。マスク氏がTwitter社を440億ドルで買収してすぐのことだ。カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提起された集団訴訟の訴状によると、原告(提訴時点では元従業員5人)は、大企業が大量解雇をする際に60日前の通知を義務付ける「労働者調整・再訓練予告法」(WARN法)に違反した施策だと主張している。
マスク氏は買収完了直後の10月末にTwitter社の取締役全員を解任し、最高経営責任者(CEO)に就任した。同社唯一の取締役となったのだ。
2022年11月3日(米国時間、以下同じ)、Twitter社は従業員に対してレイオフに関する文書を通知した。人員削減の対象となる従業員には、翌2022年11月4日に個人のメールアカウントにメールを送り、対象とならない従業員には仕事用のメールアカウントに連絡をするといったものだ。
社内文書は次のような内容だった(文中の「金曜日」は、通知翌日の2022年11月4日だとみられる)。
Twitter社を健全な軌道に乗せるため、われわれは金曜日に、世界の従業員を削減する困難なプロセスに入る。われわれはこのプロセスが、Twitter社に価値ある貢献をしてきた多くの人に影響することを認識している。だが残念ながら、当社の今後の成功を確保するには、この施策が必要だ
われわれの従業員は分散体制で業務に当たっている。対象者にできるだけ早く連絡したいと考えているため、このプロセスのためのやりとりは、メールで実施する
社内文書には、レイオフが完了するまで全てのオフィスを閉鎖し、入館を全面的に禁止する旨の記載もあった。
数十人の従業員は「メールが届く前から、レイオフされたことが分かった」と短文投稿サイト「Twitter」に投稿した。仕事のアカウントやノートPCにログインできなくなったことに気付いたからだ。
レイオフ対象になった従業員の一人に、Twitter社のMETA(機械学習における倫理、透明性、アカウンタビリティ)チームのディレクターを務めたルマン・チョードリー氏がいる。チョードリー氏は、仕事で使うGoogleサービスのログインに失敗した画面のスクリーンショットをTwitterに投稿した。METAチームのレスポンシブルマシンラーニングリサーチャーだったクリスチャン・ラム氏も、レイオフされたとTwitterで伝えている。
後編は、Twitter社のレイオフに対するIT関連組合の見解を紹介する。
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