機密性の高い情報を扱う弁護士事務所は、安全な文書の管理を実現するクラウドサービスを採用した。同事務所が利用するクラウドサービスと、選定の際に重要視したポイントとは。
デンマークに拠点を置き、バルト海沿岸諸国にも顧客を抱える法律事務所NJORDは、「文書管理システム」(DMS)にクラウドサービスを採用した。重要視したのは2つの要件だった。
幾つかの選択肢から、NJORDはソフトウェアベンダーNetDocuments Softwareのクラウド型DMS「NetDocuments」を選択した。NJORDの最高執行責任者(COO)コニー・フォークナー氏は「NetDocumentsは使いやすい。データが常に最新の状態に保たれている」と説明する。
NJORDにはIT部門が無い。代わりに、デンマークのシステムインテグレーター(SIer)ENVO ITに外部委託してIT分野の支援を受けている。フォークナー氏によると、DMSの導入から稼働までにかかったのは8週間だったという。「NetDocments以外のシステムを選択していた場合、稼働までに半年はかかっていた可能性がある」同氏は述べる。
新たに導入するDMSには、まずは従業員にとっての利用のしやすさや、他システムとの連携のしやすさを求めた。「NJORDに所属している弁護士はITに精通しているわけではない。弁護士によってITのスキルには差があるため、誰もが容易に使えることが重要だった」(フォークナー氏)
業務で機密性の高い情報を扱うことから、情報の安全な管理も重要な項目だった。フォークナー氏によると、EU(欧州連合)の個人情報保護規則である「一般データ保護規則」(GDPR)に即したシステムも組み込まれているという。
フォークナー氏は「クラウドサービスでの文書の安全な管理が最も重要な要素だ」と話し、「NetDocumentsのおかげで、機密情報へのアクセス方法をコントロールできるようになるとともに、サイバー攻撃への対策を強化できた」と付け加える。
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