「生成AI」活用成功の7つの視点【後編】
うその許容も「生成AI」を生かすこつ? 押さえるべき3つの視点
企業における活用が広がる見通しの「生成AI」。その使用には一定の課題やリスクがある。企業が生成AIを最大限活用していくために必要な視点を3つ解説する。
テキストや画像などを生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)がビジネスにもたらすメリットに注目が集まり、企業における生成AI導入が進む可能性がある。一方で、生成AIの利用には一定の課題やリスクが伴うことを忘れてはならない。企業が生成AIに振り回されず、使いこなすためには何を押さえるべきなのか。3つのポイントを紹介する。
5.生成AIの「うそ」に注意
併せて読みたいお薦め記事
連載:「生成AI」活用成功の7つの視点
企業における生成AI活用事例
企業は生成AIを活用することで、コンテンツ制作に掛かるコストを削減できる。一方で、サイバー攻撃者も同じメリットを享受していることを忘れてはならない。攻撃者は生成AIを用いて、深層学習(ディープラーニング)技術を利用した偽(フェイク)の動画や音声「ディープフェイク」を従来よりも容易に作成できるようになった。動画や音声のなりすましや美術作品の贋作(がんさく)、標的型攻撃などが懸念される。
攻撃者による悪用以外に、生成AI自体がユーザーを惑わすこともある。生成AIのハルシネーション(幻覚)は、誤った情報を事実かのように生成する現象だ。調査会社Gartnerのテクノロジーイノベーション部門でアナリスト兼バイスプレジデントを務めるアルン・チャンドラセカラン氏は、「ハルシネーションの発生率は生成した回答の10~20%に上ることもある」と話す。
6.生成AIの法的リスクを把握する
AI技術が引き起こし得る法的リスクの一つが、知的財産の侵害だ。例えば生成AIで出力した内容を著作物に利用した場合、気付かないうちにクリエイターの著作権を侵害してしまっている可能性がある。
学習用データに含まれるバイアス(偏見)も法的リスクの要因となる。欠陥のあるデータや偏りのあるデータで訓練を実施すると、バイアスが反映された、もしくは不完全な内容を生成してしまう。生成したコンテンツをよく確認せずに利用した結果、気付かないうちに差別を増長してしまうようなビジネスの意思決定につながる恐れがある。
バイアスが反映された生成AIモデルは他のデータセットにもバイアスを広める可能性があり、注意が必要だとチャンドラセカラン氏は警告する。
7.「CoE」(センターオブエクセレンス)の設立
生成AIの効果的な導入や活用を目指す上で重要な役割を果たすのが、社内外における生成AIの利活用を推進する「CoE」(センターオブエクセレンス)だ。CoEは、従業員の生成AI使用方法を定めるポリシーの設計や決定、リスクマネジメントなどを担う。IT部門や法務部門、リスクマネジメント部門、マーケティング部門だけでなく、人事部門や研究開発部門など、社内の利害関係者の意見を収集する。
ITコンサルタント企業West Monroeでパートナーを務めるパブロ・アレホ氏は、CoEをあらゆる業界や企業に立ち上げるべきだと主張する。「生成AIといった新しい技術を理解して活用法を研究する組織がなければ、その技術は陳腐化してしまう恐れがある」(アレホ氏)。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
5
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
6
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
7
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
8
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー