“激務の医療現場”ほど「生成AI」が役立つ? 使えそうな活用例3選医療現場の「生成AI」活用例と注視すべき点【前編】

生成AIの活用は、医療分野においても広がる可能性がある。患者とのコミュニケーションをはじめ、医療分野で広がると考えられる生成AIの活用例を3つ紹介する。

2023年11月16日 07時00分 公開
[John BurkeTechTarget]

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 医療分野における「生成AI」(ジェネレーティブAI)の活用が、今後広がる可能性がある。生成AIとは、テキストや画像などのデータを自動的に生成するAI技術のことだ。例えば、AI(人工知能)技術ベンダーOpenAIが開発したチャットbot型AIサービス「ChatGPT」がある。ChatGPTのような生成AIツールは、業務においてコミュニケーションが生じる分野や、情報収集、レポート作成から訴訟の準備書面の作成に至るまで、さまざまな場面で活用できる。医療分野もその例外ではない。

医療の現場で実現しそうな「生成AIの活用例」3選

 医療分野はデジタル化の取り組みが浸透しつつある分野だ。クリニックや病院には電子体温計やMRI(磁気共鳴画像法)装置、血液分析装置といった専門的な機器がある。そのような機器や測定値からは大量のデータを得ることができるが、患者や介護者との会話からしか得られないデータも存在する。対話型のAI技術はこのようなデータを取得できることが強みであり、患者とのコミュニケーションをより良いものにできる可能性を持つ。以下に活用例を挙げる。

  • 問診
    • 患者の病歴、症状や懸念事項を聞き取り、聞き取った内容を文字起こしした上で要約し、そのデータを医師が閲覧できるようにする。
  • 会話記録の作成
    • 診察や処置中に発生した口頭でのやりとりを記録し、電子カルテのデータを補完する。患者の診察時間の計測や、医師や看護師のシフト交代時の引き継ぎに役立つ。
  • 反復作業の自動化
    • 医師や看護師、薬剤師から患者への説明を自動化。患者への指示を反復的に繰り返すだけでなく、指示を分かりやすく言い換えることも可能だ。

 後編は、医療分野で実際にAI技術を活用する前に念頭に置きたいポイントを紹介する。

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