「iPhone」と「Android」の違いが分かる“なるほどの選び方”とはiPhoneとAndroidのスマートフォンを比較【第2回】

「iPhone」と「Android」端末には、利用できるアプリケーションに大きな違いはない。ただし両者には根本的な違いが幾つかある。どちらかを選択する際は何を見ればよいのか。重要な観点から比較する。

2023年12月23日 08時00分 公開
[Katie FentonTechTarget]

 スマートフォンを選ぶ場合、まずはAppleのモバイルOS「iOS」を搭載した「iPhone」と、GoogleのモバイルOS「Android」を搭載したスマートフォンのいずれかを選ぶことになる。自身により適した端末を決めるには、そもそもどのような観点で両者を見比べればよいのかを知っておく必要がある。何で比較すれば、iOSとAndroidの違いがよく分かるのか。

iOSとAndroidをユーザー体験で比較

会員登録(無料)が必要です

 まずエンドユーザーにとっての使い心地を比較するには、iOSとAndroidのインタフェースを比べるのがよい。両者の大きく違う点はカスタマイズ性にある。iOSは、複数のApple製品やサービスにわたって同じように利用できる、一貫性のあるユーザーインタフェースを提供している。そのため技術や機械に不慣れな従業員でも使いやすい傾向にある。Androidはエンドユーザーがユーザーインタフェースを使い方に合わせてカスタマイズしやすいため、この自由度を好む人もいる。

 デバイス間の相互運用性も重要だ。Apple製の端末間の連携は、スムーズで直感的に実施できる。例として、「iPhone」から「Mac」へとデータを移すのは容易だ。一方でAndroidの場合は、Googleのクラウドオフィススイート「Google Workspace」などのツールを利用して、異なるデバイス間の連携を実現する必要がある。

 アプリケーションストアの使い方は、Appleの「App Store」とGoogleの「Google Play」で大きな差はないが、細かい違いがある。大抵のスマートフォン用業務アプリケーションは、両方のアプリケーションストアで提供されているが、iOSでのリリースが先行する場合がある。これはiOSを搭載する端末の種類や技術的な仕様が限定されているためだ。Androidアプリケーションはさまざまな端末に合わせた開発が必要なため、端末の種類によってはAndroidアプリケーションが利用できない場合がある。

 企業がスマートフォンを選定する場合は、利用中または利用する可能性がある業務アプリケーションを踏まえて、端末を選択する必要がある。

アプリケーションのセキュリティ対策に大きな違い

 iOSとAndroidは、採用しているセキュリティ対策の方針が異なる。AppleはiOSのエコシステムを厳しく管理し、脆弱(ぜいじゃく)性を迅速に修正し、古いデバイスのセキュリティアップデートも提供する方針を示している。オープンソースのAndroidは、さまざまな端末が存在するため、セキュリティ脅威の特定と適切なアップデートの配信を完璧に実施することが困難な場合がある。

 iOSのApp Storeは、アプリケーションの審査プロセスを厳格に実施し、エンドユーザーがマルウェアをダウンロードするリスクを減らしている。AppleはiOSユーザーに対して、App Storeで未承認のサードパーティ製アプリケーションをインストールすることを原則として認めていない。これがセキュリティの強化につながっている。Androidでは、エンドユーザーがGoogle Playで未承認のサードパーティ製アプリケーションを容易にインストールして利用できる。Google Playのアプリケーション審査はApp Storeほど厳格ではない。こうしたセキュリティ面の弱点を補うため、Googleはアプリケーションセキュリティ対策ツール「Google Playプロテクト」を提供し、アプリケーションの安全性を強化している。

 通信とデータ保存の両方で、iOSもAndroidも暗号化を利用可能にしている。顔認証や指紋認証といったユーザー認証の方法は、iPhoneでもAndroid端末でも利用可能な端末が幅広く存在する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

リモート接続におけるITサポートチームの負担軽減、AIによる業務効率化の実践術

リモート接続におけるITサポートチームは、安定稼働が大きな使命の1つだが、近年はシステムの複雑化に伴い、ITオペレーションの負担が増大している。本資料では、AIを活用してITオペレーションの効率を大きく改善する方法を紹介する。

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

短期間かつ低リスクで、リモートアクセスツールの導入を完了させる方法

昨今、多くの企業が業務にリモートアクセスを取り入れているが、リモート接続ツールの導入には、専門知識が求められる。また初期設定や運用設計などを自社で行う場合、最適化されていないケースも多い。どのように解消すればよいのか。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

iPhoneやAndroidスマホを「ノートPC」に変える方法

スマートフォンの進化により、「ノートPCとの2台持ち」の必要性は薄れつつある。スマートフォンをノートPCとして使うための便利な方法を解説する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「在宅ワークに飽きた」を解消する“激推しガジェット”はこれだ

テレワークの普及に伴い、スムーズな仕事を実現するだけではなく、ギークの知的好奇心さえも満たすガジェットが充実している。ギークが他のギークに“激推し”したくなるガジェットを紹介しよう。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「Galaxy S24」が予感させる“AIスマホ時代の始まり”

AI(人工知能)技術の活用が広がる中で、スマートフォンの利用はどう変わろうとしているのか。Samsung Electronicsが発表したスマートフォン新シリーズ「Galaxy S24」を例にして、“AIスマホ”の特徴を紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。