Google Cloudをやめるときの「データ転送」が無料に なぜなのか?NEWS

Googleは顧客が「Google Cloud」の利用を停止し、他のクラウドサービスベンダーやオンプレミスのデータセンターに移行する場合のデータ転送を無料にすると発表した。

2024年01月18日 05時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 Googleは2024年1月12日(米国時間)、顧客がクラウドサービス群「Google Cloud」の利用を停止し、他のクラウドサービスベンダーやオンプレミスのデータセンターに移行する場合に、無料でデータ転送を利用できるようにしたと発表した。同社はこの無料データ転送プログラムに関して、利用の手順や条件をWebページで案内している。同プログラム提供の背景と共に見てみよう。

データ転送を“無料”にする条件や理由

会員登録(無料)が必要です

 無料データ転送プログラムを利用する手順は次の通りだ。

  1. Google Cloudアカウント担当者がいる場合は、担当者に連絡する
  2. 案内ページ」に掲載されている説明を確認する
  3. 無料データ転送のリクエストフォームに記入して送信する
  4. Google Cloudのサポートチームがリクエストを確認し、Google Cloudから他のクラウドサービスベンダーやオンプレミスのデータセンターへの無料データ移行を開始できるタイミングを通知する。この通知から60日以内にGoogle Cloudからの移行を完了する必要がある
  5. 指定された60日以内にGoogle Cloudからの移行が完了したら、契約条項に従ってGoogle Cloud契約を終了する必要がある

 無料データ転送プログラムには、以下の条件が適用される。

  • Google Cloudの利用終了に伴う無料データ転送は、ネットワークサービス層の「Premium Tier」で利用できる
  • Google Cloudのストレージサービスおよびデータ管理サービスで保存されているデータのみが、無料データ転送の対象となる
  • リクエストフォームに記載の移行スケジュールに変更があった場合は、Google Cloud Supportチームに報告する必要がある
  • Google Cloud契約の終了前に、無料データ転送のリクエストを提出する必要がある
  • Google Cloudは、プログラムの利用規約に準拠しているかどうかを確認するため、Google Cloudからのデータ移行を監査する権利を留保する

 Googleはこの無料データ転送プログラムを発表したブログのエントリ(投稿)で、オープンかつ安全で、相互運用可能な“クラウドエコシステム”の繁栄に向けて取り組んでいる姿勢を強調した。

 その一方で同社は、クラウド市場ではオンプレミスソフトウェアでの独占的地位を利用し、競争をゆがめる制限的なライセンス慣行によって顧客の選択を制限しようとするライセンス慣行が見られると指摘。「クラウド市場における顧客の選択とベンダー間競争の障壁となっている制限的なライセンス慣行を終わらせるために、より多くのことがなされなければならない」と同エントリで強調した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

技術文書・技術解説 ドキュサイン・ジャパン株式会社

導入が進む一方で不安も、電子署名は「契約の証拠」になる?

契約業務の効率化やコストの削減といった効果が期待できることから、多くの企業で「電子署名」の導入が進んでいる。一方で、訴訟問題へと発展した際に証拠として使えるのかといった疑問を抱き、導入を踏みとどまるケースもあるようだ。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

VMware「永久ライセンス」を継続する“非公認”の方法

半導体ベンダーBroadcomは仮想化ベンダーVMwareを買収してから、VMware製品の永久ライセンスを廃止した。その永久ライセンスを継続する非公認の方法とは。

市場調査・トレンド 株式会社QTnet

業種別の利用状況から考察、日本企業に適したクラウドサービスの要件とは?

システム基盤をオンプレミスで運用するか、データセンターやクラウドで運用するかは、業種によって大きく異なる。調査結果を基に、活用の実態を探るとともに、最適なクラウドサービスを考察する。

製品資料 発注ナビ株式会社

商談につながるリードをなぜ獲得できない? 調査で知るSaaSマーケの課題と対策

SaaSサービスが普及する一方、製品の多様化に伴い、さまざまな課題が発生している。特にベンダー側では、「商談につながるリードを獲得できない」という悩みを抱える企業が多いようだ。調査結果を基に、その実態と解決策を探る。

製品資料 株式会社ハイレゾ

GPUのスペック不足を解消、生成AIやLLMの開発を加速する注目の選択肢とは?

生成AIの活用が広がり、LLMやマルチモーダルAIの開発が進む中で、高性能なGPUの確保に問題を抱えている企業は少なくない。GPUのスペック不足を解消するためには、どうすればよいのか。有力な選択肢を紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。