売れなかったPCが「やっと売れ出す」と予見された“なるほどの理由”2024年以降のPC市場と「AI PC」【前編】

世界的な景気低迷が続く中、世界のPC出荷台数は前年比減が続いてきた。ただし、調査会社は「PC業界の展望は悪くない」と評価する。その意味は。

2024年01月30日 08時15分 公開
[Cliff SaranTechTarget]

関連キーワード

人工知能 | ビジネスPC


 調査会社Canalysが2023年10月に発表したデータによると、2023年第3四半期(7月〜9月)の世界PC出荷台数は6560万台だった。前年と比べて7%減少したものの、2023年第2四半期(4月〜6月)と比べた場合は8%増だった。同社はこの状態を「PCベンダーにとっては悪くない状態」だと評価する。

PC市場に回復の兆しが?

 2023年の世界PC出荷台数は第1四半期、第2四半期と回復しつつあり、第3四半期の「前年比7%減」という数値は前年比の減少幅としては過去1年で最小だったという。Canalysは、在庫水準や潜在的な需要という点で「2024年のPC需要にさらなる回復の兆しが見られる」と分析する。出荷台数の内訳は以下の通りだ。

  • ノートPC
    • 前年比6%減の5210万台
  • デスクトップPC
    • 前年比8%減の1350万台

 2023年第3四半期における世界のPC市場について、Canalysでプリンシパルアナリストを務めるアイシャン・ドゥット氏は次のように語る。「厳しいマクロ経済環境に若干の改善が見られる中、主要なPCベンダーは在庫調整の取り組みがおおむね奏功しており、慎重ながらも楽観的な見解を示している。結果としてエンドユーザーの根底にある需要を掘り起こし、ベンダーの出荷実績に反映されたと考えられる」

 2023年第2四半期に教育業界からの需要が増加したことで、主要PCベンダーの出荷台数は増加を続けている、とドゥット氏は説明する。PC市場はホリデーシーズンにも需要増加が見込まれるため「出荷台数の回復傾向は続く」と同氏は予測する。


 後編は、2024年以降のPC出荷台数に影響を与えるAI(人工知能)技術関連の動向を紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...