クラウドサービスでリソースの管理や追跡、コスト管理をする際に役立つのが「タグ付け」だ。タグの命名ルールはどう設定すればいいのか。その基本を紹介する。
クラウドサービスでの「タグ付け」は、リソースの管理や追跡、コスト管理などに欠かせない機能だ。タグを効果的に使用するためには、タグの命名規則を確立する必要がある。それは社内の各組織にまたがって適切にコスト管理を実施するためにも重要だ。タグ付けの命名ルールはどのように設定すればいいのか。その基本を紹介する。
一般的なタグの名前を決定し、全てのリソースタグに一貫しての適用が重要だ。タグの命名には以下のような形式が選択できる。
どの形式を採用しても、タグの命名規則は組織内で標準化してから適用することが必要だ。命名規則から逸脱したタグがあると、組織全体でのクラウドサービスのコストを正確に把握したり、分析したりできなくなる可能性がある。
タグ付けの命名規則を作成するときは、以下の点に注意が必要だ。
組織で意味が共有されていない略語の使用は、混乱の原因になることがある。
特殊文字とスペースはAWSの一部のサービスで問題を引き起こすことがある。他ベンダーのクラウドサービスでも同様の懸念があるため、避けるべきだ。
タグの値には、関連付けられたキーとクラウドリソースに関する情報のみを含めるべきだ。例として、インフラの利用目的を表すキーの「Environment」には、以下のように利用目的に関連する値を設定する。
クラウドサービスの利用が拡大し、インフラの構成が複雑化すると、階層型のタグ付けが必要になることもある。例えば本番環境でエンジニアリング部門が運営する「TT Article」というシステムに対する階層型のタグ付けは、以下のようになる。
次回は、タグ付けの運用を効率的に実施するためのこつを紹介する。
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