人への投資は企業への投資
「有能なクラウドエンジニア」が育つ方法とは? やってはいけない育成方法も
人材への投資は企業への投資でもある。特に変化の激しいITの分野において、新技術を積極的に活用するには人材への投資が不可欠だ。どうすれば有能なクラウドエンジニアが育つのか。
IT部門およびクラウドチームのスキルアップは、いまや企業の経営に影響を及ぼすほど重要な課題の一つだ。IT業界の技術は変化が激しく、複数のクラウドサービスを利用する「マルチクラウド」戦略や人工知能(AI)技術の導入を進める中で、変化のスピードに付いていけるかどうかは企業の生産性に直結する。
従業員のスキルアップを図る方法としては、ベンダー主催のトレーニングに参加する方法がある。ただし、それだけでは不十分だ。どうすれば有能なクラウドエンジニアは育つのか。
「有能なクラウドエンジニア」が育つ方法はこれだ
併せて読みたいお薦め記事
クラウドエンジニアを成長させる資格
従業員が新しい技術に習熟するために、企業は、従業員がトレーニングを受けるための予算と時間を提供する必要がある。従業員にトレーニングの機会を与えることに対する反対意見として、従業員がトレーニングを受けた後に転職してしまうというものがある。しかし、従業員がスキルに釣り合う報酬を受け取っていれば、転職の心配はあまりしなくてよい。人事の世界ではトレーニングが従業員の定着率と士気の向上につながることは、既に常識となっている。
企業はトレーニングの効果を信じる必要がある。初心者レベルの人材でも、数カ月でクラウドインフラの管理業務を任せられる人材へと成長できることを覚えておくべきだ。こうした成長の実例を知れば、従業員の意欲は増す。トレーニングを提供するための予算と時間を確保することは企業にとって容易ではないが、従業員と企業の両方にポジティブな影響を与えることを認識する必要がある。
トレーニングを“従業員任せ”にしてはいけない。経営陣が主導権を握り、従業員の意見を聞くようにしよう。従業員がトレーニングへの支援を要求して、経営陣がコストや時間を理由に拒否した場合、従業員の士気が下がる可能性がある。経営陣が予算と時間を初めから提供すれば、従業員は自身の成長を企業が促進しようとしてくれていると理解する。トレーニングの予算には講義費用だけでなく学習教材や認定試験の費用も含めておくべきだ。
IT人材への投資には、新技術を導入することに劣らない、あるいはそれ以上の効果が期待できる。例えば、マルチクラウド戦略のトレーニングを受けた従業員は企業のITインフラ運用戦略を改善して、コスト削減に貢献する可能性がある。特に、AI技術をはじめとした新技術の運用方法は、あらゆる規模の企業において効率化に役立つと考えられる。
仮に従業員が適切なトレーニングを受けられていない場合、自己流で新技術に触れてしまう可能性がある。これはほとんどの場合でうまくいかない。新技術の導入が運用の属人化につながる懸念もある。
セキュリティは専門のチームだけでなく、全従業員にとって重要だ。全員がセキュリティのトレーニングを受けて、セキュリティに関心を持つようになれば、過剰にセキュリティ対策ツールを導入しなくともITインフラの安全を維持しやすくなる。
新しい技術を導入する際、必ずしも新たな従業員を雇用する必要はない。既存の従業員がその新技術に積極的に関心を持ち、企業がそれを支援すれば、自ずと新技術を導入できる見通しが立つはずだ。新たに人材を採用するのが悪いわけではないが、外部の人材コンサルタントが企業の内部動向と新技術まで深く理解しているとは限らない。それに対して社内の事情をよく知る従業員は、新技術をどのように活用すれば企業を成長させ、次のレベルに進めるのかを理解している。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
3
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
4
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
5
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
6
ANAが専用回線から移行した「NaaS」の全貌 ネットワーク準備が数カ月から数週間に
-
7
「プログラマー不要論」にThe Linux Foundationが示した答え
-
8
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
9
「高すぎるGPU」を捨てAI推論をCPUへ Armが示す電力とコストの現実解
-
10
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
9
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
10
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー