認定資格を取得したり講座を受講したりすることは、エンジニアが知識習得やキャリア形成を図るための一助となる。エンジニアが資格取得をする際の学習方法の選び方を紹介する。
IT業界にはさまざまな資格やトレーニングプログラムがある。技術分野の範囲はネットワーク、OS、仮想化などと多岐にわたる。その中でもクラウドコンピューティングは特に変化が激しい分野だ。
進化し続けるクラウドコンピューティングの世界で、エンジニアが現状の職務や今後のキャリアで活躍するために、資格を取得するのは有効な手段になる。資格取得に向けて、どのような講座やトレーニングを選択すればいいのか。何を選択してはいけないのか。学習方法の選び方を紹介する。
講師は、教える技術分野に関連する認定資格を所有している人物を選定することが望ましい。資格を有している上で、実務経験や教育経験があるのかどうかも確認する。クラウドコンピューティング以外の分野の知見もあればさらに望ましい。
そうした講師の情報を見つけるには、「LinkedIn」のようなSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が適している。資格を有していない場合は、ベテランの講師であれば問題はない。
特定の技術分野の専門家であっても、誰にも教えた経験がない講師には注意した方がよい。これはほとんどの場合、失敗するからだ。技術を知っているだけでなく、人々が理解できるように実際に説明する能力を持つ人が望ましい。他人に知識を教えるということは特別なスキルの一つであり、これこそが講師と単なる専門家を分ける要素なのだ。
講座を選択する際は、講座を運営している会社の評判と沿革を確認する。1年前に起業した会社よりも、トレーニングの実績がある会社の方が信用できる。スタッフとその認定資格、およびベンダーとのパートナーシップを確認する。ほとんどの企業は、協賛企業や試験の合格率、合格体験記などを積極的に公開している。レビューや口コミがない場合は注意すべきだ。
認定資格に関するトレーニングであれば、そのクラスは試験対策クラスなのか、それとも対象の技術分野を学ぶためのクラスなのかを確認しよう。両方を学べるトレーニングであれば理想的だ。
トレーニングを提供する優れた会社には、以下のような特徴がある。
短期集中型の資格対策トレーニングは、認定資格取得を目的としている。製品知識に重点を置かない傾向にあるため、期待するほどの価値がない場合があることに注意が必要だ。
トレーニング形式に関しては、個人的な好みを優先して問題ない。一般的には、対面式のトレーニングよりもオンライントレーニングが好まれている。対面に比べて時間や場所の自由度が向上するからだ。
対面式のトレーニングにはオンラインにはないメリットがある。その一つは、他の受講者とつながり、コミュニティーに所属できることだ。その人脈は仕事にも役立つ可能性がある。ただし対面式のクラスは、旅費やホテル代がかかる場合がある。
オンラインコースをオフィスや周りに人がいる環境で受講しようとしている場合には注意が必要だ。効果的な学習のためには、静かな場所で集中して受講する必要があるからだ。講座のほとんどは、講義と実習の両方を組み合わせた内容になっているため、集中して参加する必要がある。
一方、録画講義に関しては、オンデマンドまたは自分のペースで受講できるため、比較的自由度が高くなる。しかし、実習のないクラスは避けるべきだ。学習している内容を確認するために実際のインタフェースに触れ、操作経験を積む必要がある。
トレーニングについて検討するときは必ず、コストと価値も考慮に入れる。トレーニングは決して安くはない。ベンダー提供のトレーニングは、1コースで数千ドルになる場合がある。
無料のビデオ配信にも優れたコンテンツはある。ただし、講師との対話や実習がないと、質問する機会や細かい知識を得るチャンスを逃してしまう。
次回はクラウドコンピューティング関連の具体的な資格についての評価を紹介する。
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