同僚から嫌われないためのビジネスマナー9選テレワーク時代のビジネスマナー

職場でのちょっとした行動が、同僚との関係性の悪化につながる可能性がある。テレワークの普及といった、時代の変化を踏まえたビジネスマナーとはどのようなものか。具体例を9つ紹介する。

2024年10月25日 05時00分 公開
[Kaitlin HerbertTechTarget]

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 テレワークが普及している職場でも、出社を基本とした職場でも、ビジネスマナーが生産的な職場の基盤であることに変わりはない。混乱した雰囲気が漂う職場や、配慮を欠いたコミュニケーションに満ちた職場で、社会人として成長することは難しい。職場でのささいな行動が、周囲との関係性や他者からの評価に大きな影響を与える可能性がある。では、現代の社会人が守るべきビジネスマナーとは一体何か。オフィスでの望ましい振る舞い9つを解説する。

社会人なら守るべき9つのビジネスマナーとは?

ビジネスマナー1.時間を守る

 時間の厳守は社会人の基本だ。始業時間や会議の開始時間、提出物の締め切りを守ることは、他者の時間を尊重することにもなる。遅刻すれば仕事の流れは乱れ、計画に狂いが生じる。あなたの仕事を引き継がされたり、余計な時間を過ごさざるを得なくなったりした同僚から恨みを買いかねない。

 遅刻を繰り返せば評価は下がり、同僚や上司から信頼できない人物と見なされる。遅刻が避けられない事態に陥った場合は、事前に謝罪し、遅刻の理由と到着予定時刻を同僚に伝える。会議の日時変更や遠隔での業務遂行を申し出て、業務の中断を最小限にとどめるようにしたい。その結果、他者の時間を尊重している態度を示せるだけではなく、社会人としての意識を保つことができる。

ビジネスマナー2.丁寧なコミュニケーションを心掛ける

 メールでコミュニケーションを取る際は、社会人らしい言葉を使い、慎重に文章を推敲(すいこう)する。感情的になっているときはメールを送らないようにしよう。明確な意図に沿った件名とよく練られた本文であれば、受信した側は速やかに内容を理解して返信しやすい。

 会議では、相手の話に興味を示して丁寧に耳を傾ける。会議中にメモを取れば、集中力が高まるだけではなく、他者の意見を尊重している態度を示したり、後で重要なポイントを見直したりできる。

ビジネスマナー3.場をわきまえた服装を心得る

 社会人として適切な服装に努め、良い印象を与えよう。服装規定はさまざまでも、清潔感のある身だしなみが適切なことに変わりはない。

 勤務先の服装規定が不明な場合は、同僚を参考にしたり、人事部門に相談したりする。自分の専門性を発揮する場では、軽装よりもフォーマルな服装の方が適切だ。

 服装は、自分自身を発信するツールでもある。だらしない服装や肌を過度に露出させた服装は、同僚の集中を妨げたり、周囲に不快感を与えたりする可能性がある。職務に合わせた適切な服装でいれば、職務に対する自信が高まり、職務に取り組む準備ができていることを同僚や上司に意識させることが可能だ。

ビジネスマナー4.デスク周りを清潔に保つ

 デスク周りの状態はその人の個性を反映するだけではなく、業務の生産性に影響を与える。情報セキュリティを守るためにデスクの上に機密情報を放置しないことを定めるセキュリティポリシー「クリアデスクポリシー」に従ってデスクを整理すれば、デスクの上を整頓でき、探し物を見つけやすくなる。この取り組みが、時間の節約とストレスの軽減につながる。清潔で整理されたデスク環境は、毎日数分で実現でき、周囲に社会人としての意識の高さを伝えることができる取り組みだ。

 休憩室や給湯室といった共有スペースに気を配ることも重要だ。気の利いた従業員は共有スペースを清潔にして、同僚や上司への配慮を示す。

ビジネスマナー5.業務の邪魔をしない

 業務時間内に、個人的な電話をしたりソーシャルメディアを使ったりして、同僚の業務を中断しないようにする。個人的な電話をする場合は邪魔にならない場所に移動して、手短に話を済ませるようにしたい。自分が出す音に気を配り、同僚の気が散るような大声での会話や電話は控える。

 香りの強い香水やローションをつけたり、大音量で音楽を流したりすることも周囲とのトラブルを引き起こす可能性がある。自分の行動や選択が周囲にどのような影響を与えるのかを知り、業務の妨げになる音や匂いを避け、周りの人の視線に気を配るようにする。

 デスクを定めないフリーアドレスをはじめとしたオープンなオフィスは従業員同士のコラボレーションを促進する一方で、集中を妨げる場合もある。オープンなオフィスにおいて複雑な業務に取り組む際は、ノイズキャンセリングヘッドフォンを使用したり、一時的に会議室に移動したりすることも選択肢だ。

ビジネスマナー6.趣旨が伝わりやすいコミュニケーションを心掛ける

 職場におけるコミュニケーションでは、メッセージの内容や目的に応じてツールを使い分けることが重要だ。緊急連絡には、チャットツールといったカジュアルなコミュニケーションツールではなく、会社が定めた緊急時用のコミュニケーションツールを使用する。機密性のあるメッセージは、内容が明確に伝わるようにするため、メールを使って送信する。テキストメッセージやインスタントメッセージは、情報のアップデートや確認事項を迅速にチェックする場合に有用だ。

 メールの送信に当たっては、要求や情報を細かく伝えようとして長文のメッセージを何度も送ることは控える。1つのメールに内容を簡潔にまとめ、受信箱がメールで溢れないようにする。

 会議を開催する際は議題を絞り、無駄な会議にしないようにする。出席者のスケジュールに配慮することも重要だ。議題を事前に共有しておけば、出席者が会議に備えることができ、会議をスムーズに進めるのに役立つ。

 緊急事態でない限り、業務時間後の連絡は控える。これによって、職場の健全なワークライフバランスを保てるようになる。業務時間内の連絡で気が散る場合は、連絡通知を「サイレント」モードで制御するといった方策も一考だ。

ビジネスマナー7.責任を持って共有スペースを使う

 各従業員が共有スペースの美化に責任を持てば、その共有スペースはより良いものになる。例えば、個人が出したごみは適切に処分し、職場のごみ箱がいっぱいにならないように配慮する。私物は決められた場所に置く。従業員一人一人が清潔で整理された職場をつくり出せば、誰もが気持ちよく働ける職場づくりにつながる。

 プリンタや電子レンジといった共有物を独占しないことも必要だ。独占しないという意識や他者への配慮は、円滑な業務遂行ともつながっている。特定の共有物に順番待ちの列ができている場合は、代わりの手段を見つけられるようにするのも一考だ。

 備品を借りる際には必ず申請を済ませ、速やかに返却する。私物には所有者が分かるようにラベルを貼り、紛らわしい貸し借りや誤った貸し借りが起きないようにしておく。

ビジネスマナー8.チームワークを意識した行動を心掛ける

 協力的で前向きな職場の雰囲気を醸成するには、同僚の業務支援を積極的に申し出ることが有効だ。同僚が目に見えて苦労しているように見える場合は、押し付けがましくない程度に支援を申し出てほしい。「この業務で何か手伝えることはありますか」といった、相手に判断を委ねる言い回しで助け舟を出してみよう。

 信頼と説明責任は、健全な職場を構成する重要な要素だ。そのためには、期限を守り、約束を果たすことが欠かせない。例えば、同僚との共同プロジェクトでタスクを完了できずに同僚を失望させないようにする。プロジェクトの進行に影響が出るような問題が生じた場合は、必ず共有する。

 フィードバックを聞き、行動に取り入れることで、職場や人間関係が改善する場合もある。建設的な批判を受け入れ、パフォーマンス向上のために役立てる。そのためには、同僚の意見を積極的に求め、感謝の意を示すことが大切だ。

 プロジェクトが成功した場合、関連する従業員の貢献を認めることで士気は高まる。功績を公の場で称賛したり、成功を全員で祝福したりする。

ビジネスマナー9.違いを認め合う

 多様性を認めることも、生産的な職場環境の醸成に必要な取り組みだ。その一歩として、さまざまな働き方を尊重する。早起きが得意な同僚もいれば、夜に生産生が上がる同僚もいる。そのような違いに配慮したり、さまざまな好みを理解したりすることが重要だ。個人の事情に合わせた勤務スケジュールや会議の開催時間を設定すれば、包摂性が高まり、従業員全員が効果的に業務に参加できる。

 「DEI」(ダイバーシティー、エクイティー、インクルージョン:多様性、公平性、包摂性)の推進が広がりつつある中、包摂性の促進は企業文化を構築する上で重要な要素となっている。会議や会話に関わる全従業員に積極的な参加を促し、他者を排除するグループが作られないようにする。

 各個人の強みや文化、知見を尊重する「文化的感受性」も職場に大きな影響を与える。各従業員のコミュニケーションスタイルの違いを理解したり、文化的背景に基づく決め付けを避けたりすることも文化的感受性にひも付く取り組みだ。顔の表情やジェスチャー、視線が発する非言語的な合図に注意を払い、状況に応じてコミュニケーションの仕方を調整しよう。


 企業や従業員は、本稿が紹介する9つの取り組みを業務に取り入れることで、配慮に基づく協力的な職場環境を作り出すことができる。より良いコミュニケーションを促進し、チームワークを強化することが、全従業員にとって前向きで生産的な職場体験につながる。

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